2021年11月23日10:00 | シナリオ分析
【目次】
- オリジナル定量分析
- 変化日
- マーケット構図
- 主要市場 回帰分析
- 市場分析の判断指針
- 注目 経済指標
- 仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析
- NEWS PICK OUT
- ビットコイン円
- イーサリアム円
- リップル円
オリジナル定量分析
変化日
変化日からマーケットの値動きを想定します。
- ■為替相場:11月22日、12月15日、25日
- ■商品市場:11月26日、12月6日
- ■仮想通貨市場:11月29日、12月6日、13日
- ■株式市場:11月21日
- ■債券市場:11月22日
※11月中旬に変化日が集中しており、感謝祭を境にマーケットの節目をもたらすかもしれません
※11月19日時点、変化日とはオリジナルの定量分析で「マーケットシナリオを再考して、戦略を考え直す日」
マーケット構図
市場構図は株高、ドル高、TLT(債券価格)はBOX、ゴールド高、原油はBOX気配、資源通貨も反発、ビットコイン高。
市場の主役は原油から株式市場に戻ってきた印象です。市場動向がリスクオンの気配を強めながら、市場の構図から、中期的なトレンド形成が固まりだした印象です。
- ■リスクオフ要素:ジャンク債(HYG)、CDS、TEDの監視、特にTLTの流動性
- ■リスクオン要素:各国の緩和、景気刺激策
■トレード・アドバイス
マーケット構図を把握することで、「投資シナリオを維持するか、再考するか」の判断ができます。例えば、基本構図が株高・ドル安で、次の日が株高・ドル高になれば、投資は様子見し、市場変化を見極める、という行動に移れます。
主要市場 回帰分析
|
スタンス |
トレード目線 |
カウンターライン (orコアBOX) |
価格推移予想BOX |
TLT |
中立気配 |
BOX基調 |
140.00~153.00 |
140.00~153.00 |
ダウ |
強気 |
上昇基調 |
33300±100 |
33300~38500 |
S&P500 |
強気 |
上昇基調 |
4200±100 |
4200~4700 |
日経平均 |
中立気配 |
上昇基調 |
26900±100円 |
26900~31000円±50円 |
DAX |
強気、中立気配 |
上昇基調 |
14720±50 |
14720~16500 |
EUR/USD |
弱気 |
下落基調 |
1.1880±50 |
1.1200±50~ ~1.1650±50 |
USD/JPY |
強気 |
上昇基調 |
109円±50 |
110.80±50~ 117.00±50円 |
BTC/JPY |
強気 |
上昇基調 |
610万円台 |
630~830万円台 |
GOLD |
BOX、中立気配 |
BOX基調 |
1710±50~1910±50 |
1710±50~1910±50 |
原油 |
強気 |
上昇基調 |
61±50 |
74.00~92.00 |
※カウンターライン=投資目線を切り替える水準、損切ラインの参考値
※コアBOX=節目としての価格帯
※2021年11月19日時点
市場分析の判断指針
ファンダメンタルとアルゴリズム(自動売買)の分析を比較して、現状1対9でアルゴリズムを優勢に判断します。経済指標の評価と株式市場の乖離に注目です。経済指標が悪化した内容もあり、株価の水準を純粋に追いかける方が相性の良い地合いです。市場構図、銘柄選定、戦略が定まってきています。
個人的には、ポションサイズは打診レベルの1/10~1/5サイズから増やして短期回転売買の打診が増えると思います。エントリーは攻める姿勢で打診、短期は価格動向を追いかけ、長期は長期で目線判断をしていきます。
長期の目線では4、短期の目線は6の割合でポートフォリオを構築しようと思います。中長期の方向性が定まり、伸びてゆく銘柄に打診を繰り返してゆきます。
注目の経済指標
当面、中国や米国の景気回復度合いを見比べます。10月の製造業PMIは中国が49.6と3か月連続の低下で鈍化判断、米国は57.3と回復再開の展開となっています。
消費者物価指数(CPI)は中国1.5.%上昇、米国6.2%上昇とインフレ懸念を深めた印象です。株価の上値が重い展開はまだ続くかもしれません。
世界各国の経済回復に陰りが生まれていますが、楽観的な市場参加者も多いため、経済指標の結果と株価の乖離が顕著になるでしょう。
短期は、株式市場に回復が見られますが、長期的に上昇基調であっても高値圏での重さに嫌気の声が増えている事で、超短期の下落展開によって損失を被るかもしれません。今後は経済指標の発表から、市場の反応が過敏になる予想です。経済指標の発表への警戒に備えましょう。
■トレード・アドバイス
経済指標は、GDPと消費者物価指数、製造業指数が判断材料の軸です。各国特徴があり、時期ごとに重要度合いは異なります。今は、製造業ですが、そろそろ、消費物価の注目度が高まる印象です。経済もブームがあり、タピオカの次はこの商品が来る、といったことと同じです(次は免疫を高める、ハチミツ?)。
主要な中央銀行の予想 2021年9月のFOMC予想
FOMCは11月3日テーパリング開始を発表。来年6月ごろには資産購入がゼロとなり、インフレの高まりもあり、利上げ開始が早くなる予想です。これから7か月間の動向において、インフレをテーマに、利上げ開始時期の予想が大切になります。経済指標の回復動向を見ながらになります。
仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析
仮想通貨市場はCMC Crypto 200 Indexを見ると、ビットコイン、アルトコインは上昇継続で推移しています。グローバルマーケットの構図の定まりから、仮想通貨市場への選好も強まり、上昇の勢いが後押しされている格好です。
仮想通貨ヒートマップ(下記リンク参照)を見ると歴史的高値にビットコイン到達から調整展開となり、値探りを強めています。CME仮想通貨の各オプション出来高の取引量はやや減少傾向で、高いボラティリティから仮想通貨への投資熱に一服感が生まれています。
仮想通貨市場は上昇継続の見通しです。ドルインデックス、ゴールドの相関を考察しながらの判断が続きます。やや高騰の印象もあり、利確売りの下落幅に警戒です。
NEWS PICK OUT
■11月11日 ツイッター 暗号資産の専門部門を設立
ツイッター社が、「ツイッター・クリプト(Twitter Crypto)」という暗号資産やブロックチェーン技術の専門部門を立ち上げると発表。目先はバーチャルグッズやデジタル通貨の管理などを行うようです。
ツイッターでは、ビットコインにも対応する投げ銭機能「Tips」を導入し、今後はNFTを用いた機能もテストしています。ツイッターによるブロックチェーンを活用した新しいサービスにも期待します。
■11月14日 ビットコインネットワーク 大型アップデート完了
ビットコインネットワークの大型アップデートが4年ぶりに行われ、無事に完了したようです。アップデートによりセキュリティ、プライバシー、スマートコントラクトの処理速度が向上するといわれています。
今年はアルトコインでもアップデートが多かった印象ですが、今回のビットコインのアップデート動揺、値動きへの影響も軽微となっています。
ビットコイン円
ビットコイン円は、回帰分析では強気範囲(600~750万円台)で価格推移。歴史的高値770万円台に到達。短期は調整気配、中長期で上昇基調を予想。基本は積み立て、中長期は上目線です。
テクニカル分析では、移動平均MA21を価格が上回り、短中期のMAはゴールデンクロスで、買いシグナルが点灯。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンは上昇方向、買い継続シグナルが点灯。短中長期ともに上昇シグナルが現れています。
回帰分析の強気範囲の上限は800万円台へ向けて高騰しています。フィボナッチ分析から750万円台、840万円台が上値目途となります。サイクル&リズム分析ではローソク足は陽線3本、陰線1から3本リズムから、上昇リズムを形成しています。フォーメーション分析はフラッグ形成中のため判断保留です。
オシレーター系のクラシックRSI(相対力指数)は75付近推移、スローストキャスティクスは80付近推移、価格推移からオシレーター系は50ラインを超え買い継続シグナル。逆行シグナルとして捉えたら、売りシグナルです。ただし、価格に対して、オシレーターが下降調整をしながら、買い優勢の判断です。
注目度・先行性を測る出来高は増加傾向、売買意欲が強いです。価格帯別出来高から660万円台でサポートする支持帯を形成しています。底堅く展開しながら、次なる800万円台に向けての上昇が予測されます。
これらのテクニカル分析から、今後の展開予想をまとめると、メインシナリオは強気の上昇基調です。フィボナッチ分析などから750万円台、840万円台が次なる視野になります。
弱気のカウンターシナリオとして、下値支持600万円台を下回る展開になれば500~580万円台へ下落展開への可能性も考えられます。高騰したことから、適正な調整範囲として捉える事もできます。
イーサリアム円
イーサリアム円は回帰分析では強気範囲(43~56万円)の付近で価格推移しながら、短期は調整気配の兆し、中長期は上昇展開が予想されます。
テクニカル分析では、移動平均MA21など短中期のMAは上向きにゴールデンクロスで買いシグナル。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンはMA21への上昇線を描き、買いシグナル継続が点灯です。
ローソク足は週足に目を向けると陽線4~5本、陰線2~3本とリズムの短期上昇リズムを形成です。サイクル&リズム分析からは、上昇リズムが強まり、継続的な上昇見込みです。一旦、深い調整も想定され注意が必要です。
フィボナッチ分析から上値53万円、60万円台が抵抗帯の目安となります。回帰分析からは弱気範囲の下限28万円台までは押し目の目途となり、調整したらポイントです。フォーメーション分析では上昇フラッグ形成の可能性が高まり、上昇継続のシグナル判断が近いです。
オシレーター系のクラシックRSIは60台付近で推移、下降線を描き、調整シグナル、スローストキャスティクスは80付近で推移しており、買い継続シグナルです。オシレーター系は全体に50ラインを越えて買い継続シグナル点灯です。逆行シグナルとして捉えたら、売りシグナルです。ただし、価格に対して、オシレーターが下降調整をしながら、買い優勢の判断です。
注目度・先行性を測る出来高は、増加傾向で買い意欲が増加。価格帯別出来高から38~40万円台が価格支持帯となり、地盤を固めて、上昇継続を想定です。50~60万円台へ向けての展開も予想されます。出来高分析からは買い支えのシグナルが強まっています。
これらのテクニカル分析から、今後の展開予想をまとめると、強気メインシナリオは上昇基調で、50~60万円台へ上値を打診想定です。フィボナッチ分析から46万円台での地盤の固さが重要となり、上値加速で53万円台±1万円を目標に強気展開が想定されます。
弱気カウンターシナリオは32万円台を割りこみ、29万円台、25万円台、23万円台まで抵抗なく下がっていくようなら、売りの加速を呼び込むかもしれません。
リップル円
リップル円は回帰分析の強気範囲(105~130円)の付近で価格推移。短期は調整、中長期BOX基調の予想です。
テクニカル分析では、価格は移動平均MA21は買いシグナルから横ばいになりBOX判断です。短期MA、長期MAのゴールデンクロスで買いシグナルは継続です。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンは横ばいから、BOX調整シグナル点灯です。
ローソク足は陰線、陽線約2から4本、陰線2~3本のリズムで、調整気配、押し目探しの展開です。サイクル&リズム分析ではサイクル変化から、トレンド発生を模索ししている値動きです。フィボナッチ分析から、下値89±1円、108±1円は押し目の目途とされます。上値は154±1円が意識され、何度か上値を試す展開が予想されます。フォーメーション分析はトライアングル形成中で残り1波の形成が必要のため判断保留です。
オシレーター系のクラシックRSIは55付近で推移、横ばい推移で、調整BOXのシグナル、スローストキャスティクスは70付近で横ばい推移から買いシグナル継続です。オシレーター系から50ラインを越えて買い継続シグナルとして判断できます。見方を変えれば、調整BOX推移する可能性も高まります。
注目度・先行性を測る出来高は増加傾向で売買動向の変化が意識されます。価格帯別出来高から上値144~155円ラインに厚い上値抵抗帯があり、当面、108~152±1円付近で地盤を固める想定です。出来高分析からは買いの支持が集まっています。同時に調整気配もあり、下値107±1円がサポートラインとなる予想です。
これらのテクニカル分析から、今後の展開予想をまとめると、メインシナリオは強気の上昇基調からBOX基調となり、フィボナッチ分析などから、上昇展開に転ずれば、上値目途154±1円に向けての展開が予想されます。ブレイクアップした場合、190~195±1円への上昇加速が予想されます。
弱気のカウンターシナリオも見ておきましょう。100~102±1円は押し目水準ながら、87±1円を下回る展開になれば、下落加速で50円台も想定されます。