11月中旬からの短中期マーケットの定量分析

【目次】

  • オリジナル定量分析
    1. 変化日
    2. マーケット構図
    3. 主要市場 回帰分析
    4. 市場分析の判断指針
    5. 注目 経済指標
  • 仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析
    1. ビットコイン円
    2. イーサリアム円
    3. リップル円
    4. 新規銘柄「ステラルーメン」

オリジナル定量分析

変化日

 変化日からマーケット打診的に値動きを想定します。

  • ■12月17日前後、変化日
  • ■12月23日クリスマス相場のシグナルも出ており、お休みの目安になる

※変化日とはオリジナルの定量分析で「マーケットシナリオを再考して、戦略を考え直す日」。

マーケット構図

 今後の市場展開は上目線リスクオンで見ています。下落警戒でのリスクオフ銘柄の買い支えなどあり、リスクオンを中心にリスクオフにも備えたマーケット構図と判断です。

  • ■リスクオフ要素:TLT高、ゴールド高、仮想通貨高、円高、原油高
  • ■リスクオン要素:株高、ドル高、他通貨安

主要市場 回帰分析

トレード目線 カウンターライン
(orコアBOX)
価格推移予想BOX
TLT 下落基調 144.00±50 130.00~144.00
ダウ 上昇基調 24400±50 25000~29000
日経平均 上昇基調 コアBOX
22000±50円
21000~24000円
DAX 上昇基調 12760±50 12400~13600
EUR/USD 下落基調 1.1321±50 1.0880~1.1321
USD/JPY 中立目線 コアBOX
106.50±50~108.50±50
104~110
BTC/JPY 中立目線
買い目
81万円台~111万円 78~123万円台
GOLD 調整基調 1390±50 1350~1600
原油 BOX基調
買い目
50±1 45.50~66.00

※カウンターライン=投資目線を切り替える水準、損切ラインの参考値

※コアBOX=節目としての価格帯

市場分析の判断指針

 ファンダメンタルとアルゴリズム(自動売買)の分析を比較して、6対4でファンダメンタルをやや優勢に判断します。

 ファンダメンタルでのマクロ経済での目線を優先に、株価と債券の歪への評価より、株高堅調に投資優先に素直に相場に乗る地合いです。

 冬時間になりマーケット開始は23:30となり、冬への備えが伝わります。12月のクリスマス相場への備えもそろそろ考えましょう。ポジションへの監視もアルゴリズムでしっかり対策します。

 展開シナリオを熟考するために、一旦は完全に相場から離れることも大切です。今年は12月の変化日17日の前後でトレード終了です。冬眠する熊みたいに、春に備えたいのです。

注目の経済指標

 各国の製造業景況指数に注目です。景気先行性の指標であり、アメリカ製造業景況感指数(ISM)は48.3の結果。経済鈍化のシグナルとして警戒です。判断基準50ラインを3か月連続で下回り、ISMの定点観測を強めています。

 マクロ経済データを見渡すと堅調推移の予想です。注目経済指標として、消費動向も監視対象として強めており、経済と株価動向のバランスを見ながら、トレンド目線を注意したいです。

【参考】
AssetMacro(マクロ経済データに関するサイトです)
https://www.assetmacro.com/

12月のFOMC予想

 10月29~30日のFOMCでFF金利の誘導目標を1.5-1.75%に設定。労働市場は力強く、雇用は堅調、家計支出は力強いペース、また経済の不確実性があるとして、企業の設備投資と輸出も弱いままと発表されました。

 前回のFOMCではアメリカの強い面と弱い面の2つが見えましたが、12月のFOMCはどうなるのか? これまで連続3回の利下げを実施し、「1回は据え置きをする」と事前に告知しているため、参考のCME FedWatch Toolのドットチャート予想からも、現状の金利水準を据え置きの予想になります。

【参考】
CME FedWatch Tool(FOMCの金利水準の予測ツール)
https://www.cmegroup.com/trading/interest-rates/countdown-to-fomc.html

仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析

ビットコイン円

 ビットコイン円は回帰分析では、強気範囲(88万円台~111万円台)で価格推移しながら、下落基調に移る展開を予想します。

 テクニカル分析では、移動平均MA21を価格が割り込み、短中期のMAはデスクロスで売りシグナル。一方、オシレーター系のクラッシクRSI(相対力指数)、スローストキャステッィクスは買いシグナルが現れ、反発気配。

 注目度・先行性を測る出来高はやや弱い状況です。

 これからの展開予想をまとめると、メインシナリオは弱気展開で80万台を割り込めば、63~72万台を目標とする動きになると考えます。

 カウンターシナリオは、反発の強気展開でカウンターライン100万台から111万台を超えれば、強気シナリオに移行すると予想。基本的には、短期下目線の回転売買、中長期には買い目を軸足に待機する姿勢をとります。

 グローバルマーケットの株高、ドル高の構図のリスクオンであり、株や為替などの従来のマーケットに投資資金が戻り始めている印象です。

 仮想通貨市場は当面は弱い展開を想定しながらも、長期成長銘柄として期待が高まるため引き続き目は離せません。

イーサリアム円

 イーサリアム円は回帰分析では弱気範囲(12580~23000円)の価格推移で、上昇基調を予想。

 テクニカル分析では、移動平均MA21など短中期のMAはゴールデンクロスで買いシグナル。一方、オシレーター系のクラッシクRSI、スローストキャステッィクスは買い継続シグナル。

 注目度・先行性を測る出来高はやや弱い状況。

 これからの展開予想をまとめると、メインシナリオは強気展開で、23000の目標値を超えれば、28000から30000を目標とする強気シナリオになるでしょう。

 カウンターシナリオは、カウンターライン14000から15000を割り込めば弱気展開に。その場合、12000が下落目標値となります。短中期は上目線での回転売買で積み立てていくイメージです。

リップル円

 リップル円は回帰分析の強気範囲(25~30円)の価格推移で、中立目線。

 テクニカル分析では、価格は移動平均MA21割り込み、短中期のMAはデッドクロスで売りシグナル。オシレーター系のクラッシクRSIは50付近で推移し、スローストキャステッィクスは売りシグナルが点灯。

 注目度・先行性を測る出来高はやや弱い状況。

 これからの展開予想をまとめると、メインシナリオは売り目で中立目線。25~30円を割り込む展開となれば、下値18~25円を目標値とする弱気シナリオに変化します。

 カウンターシナリオは、強気展開で40円を超える展開となれば、上値55を目標に上昇シナリオの展開が予想される。短中期は売り目で様子見、長期的には国際送金の流通増が上昇の判断材料となります。

新規銘柄「ステラルーメン」

 11月12日にコインチェックは「ステラルーメン円」の取り扱いを開始。「ステラルーメン」は個人間でのモバイルマネーなど少額送金を目的として発行している仮想通貨です。

 ステラルーメン円は回帰分析は強気範囲(7.42~11.57円)で価格推移、上昇基調の様相を呈しています。

 テクニカル分析では、移動平均MA21など短中期のMAはゴールデンクロスで買いシグナル、オシレーター系のクラッシクRSI(相対力指数)、スローストキャステッィクスはやや過熱圏の手前で、買い継続シグナルが現れています。

 注目度・先行性を測る出来高はやや弱い状況。

 これからの展開予想をまとめると、メインシナリオは強気展開で9.64円を超える展開となれば、12~19円を目標とする動きになると考えます。

 カウンターシナリオは、カウンターライン6.8~7.5円を割り込むと、弱気シナリオに移行し、安値更新の展開も予想されます。基本的には、短中長期は上目線で長期優良銘柄と判断。積み立て銘柄としても検討できます。

 中国による仮想通貨の開発、フェイスブックの仮想通貨リブラなど、送金を目的とする仮想通貨が増えています。しかし世界的には仮想通貨の法整備を整えている段階なので、焦らずに一つ一つの仮想通貨を吟味しながら、成長銘柄を探すことが大切になります。

Author

天空の狐

天空の狐

ALTS investor Media 編集部 IFTA国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト、ESTA名誉会員(日本人で唯一)、ヘンリー・ビジネス・スクール ヘッジファンドプログラム修了。PythonMT4・MT5自動売買&裁量Aiトレーダー。ドイツ企業INTALUS.日本代表を経て、ドイツ金融アルゴリズムTradesignal日本代表に。テクニカル分析やアルゴリズム・ストラテジー開発。ヘンリー・ビジネス・スクールヘッジファンド・プログラムのアドバイザーを従事。ブログ「天空の狐 ビットコイン&グローバルマーケット」、マネーポストWEB執筆中。Twitter:@firmamentfox

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