2月中旬からの短中期マーケットの定量分析

【目次】

  • オリジナル定量分析
    1. 変化日
    2. マーケット構図
    3. 主要市場 回帰分析
    4. 市場分析の判断指針
    5. 注目 経済指標
  • 仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析
    1. ビットコイン円
    2. イーサリアム円
    3. リップル円

オリジナル定量分析

変化日

 変化日からマーケットの値動きを想定します。

  • ■2月27日前後、調整が落ち着くと予想
  • ■日経とドル円は3月20日前後

※変化日とはオリジナルの定量分析で「マーケットシナリオを再考して、戦略を考え直す日」。

マーケット構図

 マーケット構図から、基本は上目線のリスクオン展開を想定します。下落展開は買い場として検討することもできます。

  • ■リスクオフ要素:債権(TLT)高、ゴールド高、ジャンク債(HYG)高
  • ■リスクオン要素:株高、ドル高、他通貨安

主要市場 回帰分析

スタンス トレード目線 カウンターライン
(orコアBOX)
価格推移予想BOX
TLT 強気 上昇基調 コアBOX
133.00±50
133.00~153.00
ダウ 強気 上昇基調 25500±50 27000~30500
日経平均 強気 上昇基調 22200±50円 22000~25500円
DAX 強気 上昇基調 12710±50 12500~14100
EUR/USD 強気
⇒中立
BOX目線 コアBOX
1.08709±50~1.12313±50
1.08709~1.12313
USD/JPY 強気 BOX目線
(買い目優勢)
コアBOX
107.50±50~110.20±50円
107.50~110.20円
BTC/JPY 強気 上昇基調 75~80万円代 70~150万円台
GOLD 強気 上昇基調 1460±50~1488±50 1450~1639
原油 弱気調整 中立目線
様子見
50±1 45.50~66.00

※カウンターライン=投資目線を切り替える水準、損切ラインの参考値

※コアBOX=節目としての価格帯

市場分析の判断指針

 ファンダメンタルとアルゴリズム(自動売買)の分析を比較して、現状は7対3でファンダメンタルを優先して判断します。中期の見通しは明瞭です。

 マクロ経済による見通しには、微調整はありながらも目線は変わりません。アルゴリズム検証は短期調整の値幅も予測材料が揃いだし、下落したら買いのポイントが明瞭になっています。変化日2月下旬まで調整見通しです。

注目の経済指標

 景気の先行を占う指標でもある製造業景況感指数に目を向けると、アメリカが1月は50.9と回復の兆し、中国は50.0と横ばい推移。アメリカと中国は50以上を上回りましたので、状況はやや改善の兆し。一方、EUの2月は47.9で、日本は48.8と基準である50を下回り、鈍化シグナルです。

 マクロ経済データから第1四半期の結果が出揃うまで慎重姿勢です。マーケットに短期的な減速は織り込まれていると思いますので、世界経済が回復基調であるかを見定める時期です。さらに、今後は消費動向や企業の設備投資がどうなるかの監視優先度を高め、経済指標と株価動向を見ながら、買い場を探ることになります。

【参考】
AssetMacro(マクロ経済データを閲覧できるサイト)
https://www.assetmacro.com/
【参考】
FRED(経済データ関連を閲覧できるサイト)
https://fred.stlouisfed.org/

主要な中央銀行の予想 3月のFOMC予想

 世界的に中央銀行は緩和姿勢を見せ始め、金利を積極的に上げることはないでしょう。新型コロナウィルスの影響もあり、現状維持も増えると思われます。新興国を含めて、各国へ緩和ムードが継続的に広がっています。

「CME FedWatch Tool」のドットチャート予想を見ると、FRBは年間通じて据え置きの見通しです。新型コロナウィルスにより中国景気の減速懸念もありながら、世界的には緩和姿勢により回復ムードが強まっている印象です。今後は企業業績への反映、そして新興国に景気回復が波及するかどうか定点観測です。

【参考】
CME FedWatch Tool(FOMCの金利水準の予測ツール)
https://www.cmegroup.com/trading/interest-rates/countdown-to-fomc.html

仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析

 仮想通貨市場は、ビットコインとアルトコイン共に上昇展開。5月の半減期まで上目線で参戦です。CMC Crypto 200 Indexなど上昇継続、ヒートマップ全体は活発傾向にあります。

 グローバルマーケットと比較して、短期リスクオフでも継続して買いがあり、避難先の役割もあり、定点観測として既存市場との相関性を分析したいです。

【参考】
CMC Crypto 200 Index 仮想通貨市場の指標
https://finance.yahoo.com/quote/%5ECMC200/history/
【参考】
仮想通貨ヒートマップ 市場の活況
https://finance.yahoo.com/cryptocurrencies/heatmap?.tsrc=fin-srch

NEWS PICK OUT

 1月17日世界大手仮想通貨取引所Binanceが、ヤフー傘下のTaoTaoと提携合意を発表。仮想通貨取引所のサービス向上に期待できます。情報配信、セミナーの増加など、FXで個人取引が可能になった1998年のような状況を彷彿させ、業界変化から市場参加者にとって安全な取引環境の提供が促進されるでしょう。

 1月20日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の研究グループが設立されると発表。メンバーは日銀、ECB、カナダ銀行、イングランド銀行(BOE)、スウェーデン・リクスバンク、スイス国立銀行、国際決済銀行(BIS)。2月5日にはFRB(米連邦準備理事会)のブレイナード理事は、FRB独自のデジタル通貨発行に前向きなコメントをしています。

 中央銀行による「デジタル通貨発行」の議論は、中国政府のデジタル通貨発行の計画、フィスブックの仮想通貨リブラ構想などに影響されています。デジタル通貨が税と経済構造を変え、デジタルエコノミー誕生に向けて、中央銀行クラスで調査や研究が始まることになります。また、新しいエコノミーが生まれれば、データや分析手法も刷新することが求められるでしょう。

 デジタル通貨によって、お金の流れが明快になることは、経済活動を透明化する大きな躍進です。

ビットコイン円

 ビットコイン円は回帰分析では、強気範囲(85~125万円台)で価格推移しながら、中長期、上昇基調を予想します。積立銘柄として検討できます。

 テクニカル分析では、移動平均MA21を価格が上回り、短中期のMAはゴールデンクロス手前で、買いシグナルが点灯。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンは雲を超えて買いシグナル。短中長期は買い判断になります。

 ローソク足は陽線形成の予想です。サイクル&リズム分析から、上昇シグナルです。フォーメーション分析では下降フラッグから上昇ブレイクとなり強気シグナルです。

 一方、オシレーター系のクラシックRSI(相対力指数)は60付近推移し、買いシグナルへ転換。スローストキャスティクスは80付近で推移し、過熱シグナルから調整の可能性です。

 注目度・先行性を測る出来高は活発になり、市場心理は楽観となり、5月半減期まで買い意欲が高いです。中期トレンドライン2019年6月高値から2020年1月を結ぶトレンドラインを上昇ブレイクし、中期的にも楽観的です。

 これからの展開予想をまとめると、メインシナリオは強気展開で140万円台突破も考えられます。110~115万円台を直近の目標とし、上昇が加速すれば120~140万円台まで考えられます。上昇過熱で調整も欲しい水準展開です、一旦は90万台から100万台に押し戻す可能性もあります。ただし5月の半減期もあり、アノマリーとしては、相場の下支えが期待されます。

 カウンターシナリオは、弱気展開により反落して、カウンターライン80~90万円台を割れる展開となれば、下落が加速し、65~70万円台まで見える想定です。

 中央銀行のデジタル通貨の研究、調査など、人民元、リブラの動向は、仮想通貨市場には長期的ポジティブ材料と捉えられ、仮想通貨の認知向上となり、もう一段の高騰するシナリオも一案としてあります。短中長期で上昇基調、長期では積み立てを意識します。

イーサリアム円

 イーサリアム円は回帰分析では強気範囲(9000~31000円)の価格推移で、短中期はBOX基調で買い回転売買、ブレイクアップ30000~40000円を超えるシナリオです。長期は強気目線を検討です。

 テクニカル分析では、移動平均MA21など短中期のMAはゴールデンクロスで、買いシグナル。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンはMA21を超えて買いシグナル。雲を試す推移で転換の可能性。価格は雲の下にあり、ネジレを試すBOX展開から買いシグナルに転換の可能性です。

 ローソク足は陽線が連続となり、強い買い気配です。サイクル&リズム分析から、反発の可能性が高まります。フォーメーション分析では下降フラッグの上値を試し、転換を打診する展開です。

 一方、オシレーター系のクラシックRSIは65付近で推移、スローストキャスティクスは60付近で推移しており、オシレーター系は買いシグナルとなり、やや過熱気味です。

 注目度・先行性を測る出来高は活発となり、買い意欲が高い状況です。

 これからの展開予想をまとめると、メインシナリオは強気にブレイクアップの可能性です。中期的に20000円のラインを越え、一旦は33000~40000円台を目指すことも考えられます。長期は強気転換となり、50000円台を超える展開も一考です。

 カウンターシナリオはBOX展開のシナリオです。その場合9800~30000台を継続的に推移し、回帰直線20000円台を中心に横ばいの可能性です。

 短中期はBOXでの買い回転売買、長期は中立目線から強気への備えです。長期の目線を模索します。

リップル円

 リップル円は回帰分析の強気範囲(30~35円)の価格推移で、短中期は下落基調から、上昇転換を探る展開です。長期は中立目線です。

 テクニカル分析では、価格は移動平均MA21短中期のMAはゴールデクロスで買いシグナル。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンはMA21を試し、買いシグナル手前、価格は雲を試しながら頭を押され、方向模索。

 ローソク足は陽線を形成し、サイクル&リズム分析から、直近は陽線出現となり、強気の展開の可能性が高まります。フォーメーション分析では下降フラッグの上値35円を試す動きとなり、BOXからブレイクアップを試す展開が続きます。

 一方オシレーター系のクラシックRSIは50付近で推移し、買い転換の可能性、スローストキャスティクスは40で、買いシグナルの手前。

 注目度・先行性を測る出来高は強い状況

 これからの展開予想をまとめると、メインシナリオは強気への転換です。上値35円を超えれば強気シナリオに移行し、45~50円を目標とした動きになるでしょう。一方19円を割り込めば15円が目標値となる弱気シナリオに移行します。

 カウンターシナリオは、19~35円のBOX基調となる可能性で、決め手に欠ける展開です。

 短中期はBOX上値35を打診しながら、上目線が整うのを待ちます。長期的には中立目線です。ビットコインの上昇基調が強まれば牽引され、上値を狙う展開が優勢になります。

Author

天空の狐

天空の狐

ALTS investor Media 編集部 IFTA国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト、ESTA名誉会員(日本人で唯一)、ヘンリー・ビジネス・スクール ヘッジファンドプログラム修了。PythonMT4・MT5自動売買&裁量Aiトレーダー。ドイツ企業INTALUS.日本代表を経て、ドイツ金融アルゴリズムTradesignal日本代表に。テクニカル分析やアルゴリズム・ストラテジー開発。ヘンリー・ビジネス・スクールヘッジファンド・プログラムのアドバイザーを従事。ブログ「天空の狐 ビットコイン&グローバルマーケット」、マネーポストWEB執筆中。Twitter:@firmamentfox

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