3月中旬からの短中期マーケットの定量分析

【目次】

  • オリジナル定量分析
    1. 変化日
    2. マーケット構図
    3. 主要市場 回帰分析
    4. 市場分析の判断指針
    5. 注目 経済指標
  • 仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析
    1. ビットコイン円
    2. イーサリアム円
    3. リップル円

オリジナル定量分析

変化日

 変化日からマーケットの値動きを想定します。

  • ■3月18-20日前後
  • ■新たな市場展開への転換可能性、全体に強い点灯です

※変化日とはオリジナルの定量分析で「マーケットシナリオを再考して、戦略を考え直す日」。

マーケット構図

 マーケット構図から、直近はリスクオフ調整展開となります。市場がリスクオフ要素、リスクオン要素とのバランスを判断しながらの構図です。

  • ■リスクオフ要素:コロナウィルスのマーケットショック(ゴールド、ビットコイン、円、ジャンク債、TLTの監視)
  • ■リスクオン要素:リスクオン要素:各国の緩和期待、景気刺激策、主要国株価インデックスの値を監視、Fear&Greed Indexの向上、VIXの低下

主要市場 回帰分析

スタンス トレード目線 カウンターライン
(orコアBOX)
価格推移予想BOX
TLT 強気 上昇基調 コアBOX
140.00±50
140.00~160.00
ダウ 中立 下落基調 25500±50 21500~25000
日経平均 中立 下落基調 20000±50円 17000~20000円
DAX 中立 下落基調 13300±50 9000~13300
EUR/USD 中立 BOX目線 コアBOX
1.08000±50~1.12313±50
1.08709~1.12313
USD/JPY 強気 BOX目線
(買い目優勢)
コアBOX
104.00±50~110.80±50円
104.00±50~110.80±50円
BTC/JPY 弱気 下落基調 75~80万円代 35~85万円台
GOLD 強気 上昇基調 1460±50~1488±50 1450~1680
原油 弱気 下落基調 52±1 30.00~45.00

※カウンターライン=投資目線を切り替える水準、損切ラインの参考値

※コアBOX=節目としての価格帯

市場分析の判断指針

 ファンダメンタルとアルゴリズム(自動売買)の分析を比較して、現状0対10でアルゴリズムを優先して判断します。短中期は、価格の値位置で判断です。

 マクロ経済は上目線ながら、陰りがあるので、一つひとつ細かい区切りで分析を再考します。市場の方向見直しを増やします。切り取とった細かい材料を分析して、大局観を形成してゆくという地道な作業の繰り返しです。

注目の経済指標

 景気の先行を占う指標でもある製造業景況感指数に目を向けると、アメリカが2月は50.1と回復基準、一方、中国は35.7と大幅下落。EUは49.1先月よりやや回復、3月日本は47.8と基準である50を下回り、コロナショックにより世界経済の鈍化が強まります。

 マクロ経済データは第1四半期の結果から景気減速の度合い確認です。半年の間に、中国の経済停滞は世界経済の景気減速を形成します。経済指標と株価調整幅を見ながら、経済指標と市場心理の対話が大切になります。

【参考】
AssetMacro(マクロ経済データを閲覧できるサイト)
https://www.assetmacro.com/
【参考】
FRED(経済データ関連を閲覧できるサイト)
https://fred.stlouisfed.org/

主要な中央銀行の予想 3月のFOMC予想

 各国の中央銀行で緊急利下げを実施。イングランド中銀、カナダ中銀、など、共同利下げの姿勢はなく、各国が市場緊迫への救急処置です。景気後退懸念の市場心理を食い止めたい動きから、日本も同様に、動きに注目です。

「CME FedWatch Tool」のドットチャート予想は、緊急性の織り込みはなく、世界的には緩和姿勢により歯止め期待が反発上昇を生み出します。今後は企業業績の国内総生産(GDP)、雇用、消費動向がどこまで落ちるかを鑑みて、金利動向から、景気回復転換してゆく、小さい打音を聞き当てるような定点観測が大切です。

【参考】
CME FedWatch Tool(FOMCの金利水準の予測ツール)
https://www.cmegroup.com/trading/interest-rates/countdown-to-fomc.html

仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析

 仮想通貨市場は、ビットコインとアルトコイン共に崩落、5月の半減期まで上目線へ反転するか注目です。CMC Crypto 200 Indexは短期の下落継続、ヒートマップ全体は反発傾向にあります。出来高はビットコインで活況を示しています。

 グローバルマーケットと比較して、クラッシュの下落後、反発する値動きもありました。仮想通貨は市場規模が小さく、同時に、マーケットの先行性の判断参考にしています。下落、上昇、BOXのグローバルマーケットの目線を考える材料です。また、自動売買の相性もよく、マーケットの1歩先を歩く、未来を体現しています。定点観測として既存市場との相関性、先行性への分析を大切にしたいです。

【参考】
CMC Crypto 200 Index 仮想通貨市場の指標
https://finance.yahoo.com/quote/%5ECMC200/history/
【参考】
仮想通貨ヒートマップ 市場の活況
https://finance.yahoo.com/cryptocurrencies/heatmap?.tsrc=fin-srch
【参考】
仮想通貨市場の取引出来高
https://bitcoinization.com/top30crypto-vol.html

NEWS PICK OUT

 3月2日、日本の金融庁が認定する「仮想通貨交換業協会(JVCEA)」に米国大手仮想通貨のコインベースが第二種会員として入会。同社は三菱UFJフィナンシャルグループも出資しています。日本へ進出し、仮想通貨取引所の再編が加速すれば、日本全体で顧客サービス向上の流れが生まれ、取引システム、セミナー等々が充実されることに期待です。

 マーケットクラッシュによって、これといった注目ニュースは少なく、今は眼前の価格を追う姿勢が大切な市場環境です。マーケットが回復すれば、ファンダメンタルを1つ1つ紙のように挟んで分析したいです。

ビットコイン円

 ビットコイン円は回帰分析では、弱気範囲(60~80万円台)で価格推移しながら、中長期、下落基調を予想します。長期は積立銘柄として検討できます。

 テクニカル分析では、移動平均MA21を価格が下回り、短中期のMAはゴールデンクロス手前で、売りシグナルが点灯。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンは雲を割り込み、売り買いシグナル。短中長期は売り判断になります。

 ローソク足は陰線形成の予想です。サイクル&リズム分析から、下落シグナルです。フォーメーション分析では下降フラッグの下限価格を試しながらの弱気シグナルです。

 一方、オシレーター系のクラシックRSI(相対力指数)は30付近推移し、やや売られ過ぎ、買い検討の買いシグナル。スローストキャスティクスは50付近で推移し、過熱的な売りに対して、BOXシグナルとして、価格推移が低調になります。

 注目度・先行性を測る出来高は過熱的な動きです。市場心理は悲観となり、中期トレンドライン2019年1月安値から2019年12月を結ぶ中期トレンドラインを下落ブレイクし、悲観的な展開です。

 これからの展開予想をまとめると、メインシナリオは弱気展開です。コロナクラッシュで一時は40万円台に到達、回帰直線を目安に自律反発60~80万円台となり、再度戻り売りで、30~40万台を下値目標にするシナリオです。

 ただし、下落調整も欲しい価格展開の水準であっため、カウンターシナリオは、強気展開 回帰直線80万台から反発シナリオです。カウンターライン80~90万円台を超える展開となれば、上昇が加速し、90~100万円台まで上昇シナリオです。5月の半減期もあり、アノマリーとして、相場反転の可能性も残ります。買い意欲への再開有無を確認しながらの地合いです。

 コロナショックで、安全資産の意義が問われています。仮想通貨は全般売られたことから、次はどこに資産配分をするか、仮想通貨の投資基準をどう決めるかなど、仮想通貨市場と他市場との分析研究が加速すると思っています。

イーサリアム円

 イーサリアム円は回帰分析では弱気範囲(9800~21000円)の価格推移で、短中期はBOX基調で回転売買の繰り返し、BOX上限下限の価格ブレイクシナリオです。長期は中立目線を検討です。

 テクニカル分析では、移動平均MA21など短中期のMAは横ばい、デスクロス手前で売りシグナル。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンはMA21、雲を割り込み売りシグナル。価格は雲の下にあり、ネジレ付近で転換シグナルです。BOX展開からブレイクする前兆が現れる可能性もあります。

 ローソク足は陰線が連続となり、強い売り気配です。サイクル&リズム分析からは、調整下落の範囲でBOX上限に向けて、BOX継続するシナリオも一考です。フォーメーション分析では下降フラッグの下限を試し、転換を打診する展開です。中期トレンドラインは、2018年9月安値から2019年12月安値を結ぶ水準を一時は割り込み、下落加速とならずに反発は買いシグナルです。

 一方、オシレーター系のクラシックRSIは40付近で推移、スローストキャスティクスは60付近で推移しており、オシレーター系は売りシグナル継続です。

 注目度・先行性を測る出来高は急上昇となり、投資意欲が高い状況です。

 これからの展開予想をまとめると、メインシナリオはBOXダウンブレイクの可能性です。中期的に下限10000ラインを越え、9000,8000と節を試す可能性です。

【カウンターシナリオ1】回帰直線、21000に価格反発し、上昇再開となり、32000を目標になるシナリオです。

【カウンターシナリオ2】BOX展開のシナリオです。21000を中心に、BOX上限下限を新たに価格形成してゆく可能性です。

 短中期はBOXでの回転売買、長期は中立目線です。ビットコインの崩落でのアルトコインが下落したことで、買い場として考えるのは時期早々です。グルーバルマーケットの、市場心理を見ながら、地合いが落ち着くのを細かく分析です。上目線再開、長期調整、など全体目線を確認してから参戦です。

リップル円

 リップル円は回帰分析の弱気範囲(10~22円)の価格推移で、短中期は下落基調です。長期は中立目線です。

 テクニカル分析では、価格は移動平均MA21短中期のMAはデスクロス手前で売りシグナル。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンはMA21、雲、価格を下抜け、強い売りシグナルです。

 ローソク足は陰線を形成し、サイクル&リズム分析から、陰線連続から弱気継続です。フォーメーション分析では下降フラッグの下限は、コロナショックで一時安値10円に到達し、ショートカバーで反発です。中期トレンドラインは、2018年9月安値から2019年7月安値を結ぶ水準を一時は割り込み、下落加速とならずに反発は買いシグナルです。

 一方オシレーター系のクラシックRSIは35付近で推移し、スローストキャスティクスは40付近で推移、売りシグナル継続となっています。
 注目度・先行性を測る出来高は強く売り参加者が多い状況です

 これからの展開予想をまとめると、メインシナリオは弱気シナリオで下落基調です。一旦、回帰直線23円付近まで反発、戻り売り目線で、再度、10円を試す展開シナリオです。

 カウンターシナリオは、回帰直線23円付近を超えて、28円を超えたら強気シナリオとなります。

 短中期はBOX下限10円への向かいながら、長期的には中立目線です。価格水準としては、割安感もありながら、コロナショックを考えると、市場との対話が長引く気配もあり、当面は回転売買を繰り返し、反発気配を確認したら、上目線に変えてゆきます。

Author

天空の狐

天空の狐

ALTS investor Media 編集部 IFTA国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト、ESTA名誉会員(日本人で唯一)、ヘンリー・ビジネス・スクール ヘッジファンドプログラム修了。PythonMT4・MT5自動売買&裁量Aiトレーダー。ドイツ企業INTALUS.日本代表を経て、ドイツ金融アルゴリズムTradesignal日本代表に。テクニカル分析やアルゴリズム・ストラテジー開発。ヘンリー・ビジネス・スクールヘッジファンド・プログラムのアドバイザーを従事。ブログ「天空の狐 ビットコイン&グローバルマーケット」、マネーポストWEB執筆中。Twitter:@firmamentfox

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