【目次】
- グローバルマーケットの考察
- マーケットメモ
- NEWS PICK OUT
- 狐のミニミニコラム
- グローバルマーケットのシナリオ分析
- 直近1か月の投資スタンス
- ヘッジファンドの投資指針
- メインシナリオ
- カウンターシナリオ
- サブシナリオ
グローバルマーケットの考察
【主要銘柄の先月比変動幅】
- ■ダウ:+7.25%
- ■日経:+2.04%
- ■ドル円:-0.52%
- ■ビットコイン円:+20.22%
- ■ゴールド:+7.08%
- ■原油:+6.82%
- ■TLT(債券):-0.77%
※2020年8月17日時点
ダウや日経平均、ビットコイン ゴールド、原油は先月比からプラス展開。ドル円やTLTは先月比からマイナス展開で、現在はリスクオン・オフを併存しながらの地合いです。
Fear&Greed IndexはGreed(貪欲)の74台に推移。VIX(恐怖指数)は20%台で推移。2つの指数から、リスクオン5、リスクオフ5の割合でマーケットの投資割合を観測するといいでしょう。市場心理は落ち着き、ボラティリティは低下し、夏枯れ相場です。
8月の夏休みは様子見しながら、上半期を振り返りながら、秋相場と来年のマーケットを考えましょう。
マーケットメモ
【マーケットメモ(短中期)】
- ■夏枯れ →
- ■ドル安傾向 ↓
- ■全米の人権活動、暴動による復興需要↓↑
- ■コロナの第2波 ↓
- ■香港の中国化 ↑
- ■2019年9月、2020年3月のマーケット変化 ☆
【マーケットメモ(長期)】
- ■コロナ後の世界経済、ワクチンの報道 ↓↑
- ■FEDバランスシート縮小、米国債の流動性低下☆
- ■世界的な景気対策期待、金融相場から業績相場 ↑↓
- ■香港の中国化、各国の制裁決議 ↓
- ■ドル不足、新興国リスク ↓
- ■米国選挙、SNSのフラッシュニュース ↓
- ■来年ポートフォリオの検討 ☆
マーケット材料に大きな変化はなく、夏休み入りです。休むことが最優先です。夏明けから、材料全体に見直し、再考です。材料は近く変化する印象もあります。おそらく米国債、主軸通貨ドルに対する不安が顕在化してゆく予想です。
目先、株高推移でアルゴリズム中心の値動きとなり、突発な調整下落に警戒です。コロナの終息を願いながら、新型ウイルス誕生による崩落、ワクチン報道による急騰に注意しましょう。夏の流動性データは考慮せず、目線は全体的に上で変化はありません。
株価推移と米国債の流動性低下が長期的な懸念材料であり、半年程で関心材料が移り、新しい景気循環を生む予想です。
コロナ後の世界により、新たな経済事象への思考判断に迫られるでしょう。
香港の中国化は止まらず、報道企業の社長逮捕などマーケット材料としてはネガティブに捉えられ、国際金融都市の魅力が低下することでアジア経済圏がシンガポールや東京へ、という変化をもたらす「歴史の転換点」になるかもしれません。
11月の米大統領選挙の報道にも注目です。トランプ大統領、バイデン候補者との対立構造は、米国保護主義 VS 国際協調主義という見方もでき、中国寄りと評価されるバイデン候補者がどうなるか支持率を見守ります。どちらが当選しても株価の上昇要因になりうるでしょう。
直近は夏枯れ相場で、様子見をしながら、コロナ後の経済変化を考え、先行指数である株価分析を中心に据えながら、報道される材料を判断します。
■トレード・アドバイス
マーケットメモを見ながら、このニュースが来れば、上昇するだろう、下落するだろうという目星をつけ、そのときどのような投資を行うか、リストアップすることをおススメします。
Composite leading indicator(OECD景気先行指数)は98.0で回復基調を示し、半年以降の見通しは明るいです。MSCI ACWI Index(世界株価指数)も570台に乗せ、堅調推移です。S&Pグローバル総合指数(米ドル建て)は、月初来リターンは+3.67%とこちらも底堅い推移です。
マーケットメモの総括としては、全体に回復傾向が見られ、今後の展開は上目線でいいでしょう。短期的なアルゴリズムによる下落調整があったら、買い目打診を検討です。長期的に経済の主要指数からもマクロ経済は上昇推移、堅牢な株価推移が続くと思われます。マーケットの判断基準を再調査しながら、新しい投資環境に備えます。基本姿勢は強気に買い上昇、短期の下落は押し目買いの姿勢です。
■トレード・アドバイス
全体を俯瞰する視野と共に、細かいデータも見る習慣作りが大切です。これは天空の狐スタイルなので、自分に合うスタイルを模索してみてください。頭の整理と共に、上昇・下落・様子見といった投資行動の目線を定めることが肝になります。
NEWS PICK OUT
■(7月15日)Twitter 有名アカウント乗っ取り 暗号通貨を要求
少年ハッカー集団により、Twitterのシステムに侵入され、130近い有名人アカウントから暗号通貨の送金を要求される、という事件がありました。今回は暗号通貨の要求という軽微な犯行で留まりましたが、投稿内容が株価操作、戦争などへの表現になれば、アルゴリズムが反応し、マーケットがクラッシュしていた事件でした。SNSによる情報波及の恐ろしさは侮れず、アプリのセキュリティ強化と適切な情報判断能力が求められます。
■(7月23日)ヘッジファンド ロビンフットの取引データに注目
個人投資家向けサービス「ロビンフット」の取引データを用いた「ロビントラック」に、ヘッジファンドなどプロが関心を寄せています。プロの投資現場では新しいデータが求められており、研究が盛んになっています。財務データ、WEB情報、衛星データなどAIによる新しいデータから取引戦略を作成しています。自分の保有株が情報サイトで取り上げられたら、相場は加熱気味を示している可能性があり、利食いを検討することも重要です。
■(8月3日)日本銀行 外国為替市場とアルゴリズムの影響を発表
日本銀行の研究レポートから個人投資家に注目してほしいのは、1)アルゴリズムの自動売買は欧州時間に活発に稼働、2)短時間で大幅に動いた局面から、流動性低下が見られた、という点です。欧州時間のボラティリティを目安にアルゴリズムは作成され、普及していると考えられ、また短期的な値動きを形成したとき、個人投資家はアルゴリズムトレードが盛んな値動きに飛び込むのは危険であり、流動性低下から売買成立が著しく毀損する恐れがあります。こうした自動売買の知識が個人投資家にも普及されるよう望んでいます。
■(8月4日)米国債、ボラティリティー過去最低
約20兆ドルの市場規模を誇る米国債市場が静かな展開になっており、景気刺激策や低金利策の継続で流動性が低下しているようです。現在はインフレ懸念によるドル安の展開になりながら、ゼロ金利への対策のため、ゴールドが買われる見通しです。
米国債市場は、日本国債と同様に流動性が低下し、「見向きもされない市場」となるのだろうか…。日本と同じデフレ不況を長期に味わうことになるのでしょうか、注目です。
■トレード・アドバイス
報道を見たら、投資行動のシナリオを描きましょう。分析⇒投資の手順を踏むことが重要です。目先の相場に惑わされず、心身を整えて、データと共に相場へ向き合います。日々の報道から、上昇要因、下落要因、様子見と3つの投資指針をしっかり持つことで、瞬発的に動くとき・休むときのメリハリが生まれます。
狐のミニミニコラム
世界各国で量的緩和や財政出動が進み、“張りぼての経済”が生まれています。資金の流動性に未知数の部分が非常に多く、通貨やゴールド、TLT、米国債の駆け引きを分析しながら、仮想通貨の誕生、中央銀行デジタル通貨(CDBC)を含めて、新しい資金の流れを思索する必要があります。
市場予想の難易度はグンと上がっており、新しい教科書が求められます。
秋以降から市場は新たな景気サイクルの起点を生み出すでしょう。そのときに必要なのが、新しいデータからの情報判断、分析手法、投資戦略、そしてアルゴリズムによる進化したマーケットに対応できる目です。従来の投資手法を一旦は捨てるつもりで、見直しを検討する姿勢も重要です。
グローバルマーケットのシナリオ分析
直近1か月の投資スタンス
【目線推考、夏休み】
直近の投資スタンスは夏休みでお休みです。来年のポートフォリオを考え、9月から相場の難易度を精査します。相場の風向きを見守る慈愛が大切です。
マーケットは世界の金融緩和と財政出動だけではなく、中央銀行のバランスシートの不信から逃避としてゴールドやビットコインへの資金の流入する未知の風を生んでおり、一息つきながら、新しい世界経済の流れを見極めるスタンスです。
ヘッジファンドの投資指針
【ヘッジファンドの投資指針】
- ■ファンダメンタルが有効 持続的な上目線へ
- ■直近は全体に夏枯れ気配
- ■ヘッジファンドのパフォーマンスは安定傾向
ヘッジファンド、インディケーターの順でパフォーマンスを見ていくと、今後の投資戦略が見えてきます。ヘッジファンドの投資結果は安定した数値で推移するようになっており、資金流出も低下していることから、相場への影響も良好でしょう。マクロ系やCTA、モルティー戦略など堅調なパフォーマンスを示していますが、イベント・ドリブンなどの戦略はマイナスパフォーマンスです。
市場が再開されれば、安定地合いで推移することが予想されます。
Eurekahedge Hedge Fund Index 6月評価が+2.525%、自動売買のEurekahedge AI Hedge Fund Index+0.99%、仮想通貨はEurekahedge Crypto-Currency Hedge Fund Index+18.41%と、全体的に回復傾向です。
SG TREND INDICATORから過去1か月間の市場評価は-0.12%と減少傾向、自動売買のSG CTA Indexは-0.02%、株価は+1.44%、FXは-0.27%、債券が-1.04%、商品は−0.09%で、全体のポートフォリオは+0.01%です。市場回復に足踏みしながらも、夏休み前での調整地合いと判断です。
■トレード・アドバイス
ヘッジファンドのデータベースから、彼らの姿勢や目線、有効戦略が見えたら、同じようにするのか、それとも裏をかくかなど、現在のマーケットに有用な投資戦略が見えてきます。そして、どの市場のボラティリティが強くなるか、弱くなるかを見極めることにも繋がります。
プロが攻める市場、逃げる市場が分かれば、どこを主戦上とし、どんな戦略で挑むかを探る手助けになり、自ずと戦いやすい市場を見つけることに繋がります。
メインシナリオ
【様子見から次の一手】
8月は夏休みとして様子見で、今の時期は秋相場、来年の相場に向けて考えます。
夏休み明けは上目線を中心としながら、9月上旬から中旬まで、相場展開を測り、新シナリオを検討します。直近の変化日は8月20日前後で定点の見直しです。現時点では価格推移はBOX、W字回復のように上下しながら推移する見通しです。目安としてダウが23500~25000±100、ナスダック総合指数は9000~9700±50、ラッセル2000は12000~12300±100を上回る限り上目線です。これらのカウンターラインを下回ると、目線を再考します。
カウンターシナリオ
【新型コロナウイルスの第2波 悲観シナリオ】
(1)経済活動の再開後、再び新型コロナウイルスの再流行
(2)新型コロナウイルスが新興国(アフリカなど)で蔓延し、再度、先進国での感染拡大のシナリオ
(3)ウイルスが突然変異して、新たな感染が発生。マーケットは悲観売り加速
(1)(2)(3)が現れると、コロナの第2波シナリオも懸念され、市場にも織り込まれるでしょう。新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化というネガティブ報道やワクチンなどのポジティブニュースに、目先はアルゴリズムが活発に反応し、市場価格を形成するでしょう。しかし突発的な報道でも、小さいショックにとどまると思われます。
サブシナリオ
【調整長期化シナリオ】
経済回復まで長期の時間を要するなら、BOX相場も長引くでしょう。株価停滞シナリオです。
ゼロ金利の懸念など、米国債の動向から市場全体が低迷すると、株価にもその迷いが現れ、長期で調整する展開になる可能性もあります。市場の思惑がどこまで株価を形成するのか、株価の判断基準やカウンターラインをしっかり見定めましょう。