【目次】
- オリジナル定量分析
- 変化日
- マーケット構図
- 主要市場 回帰分析
- 市場分析の判断指針
- 注目 経済指標
- 仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析
- NEWS PICK OUT
- ビットコイン円
- イーサリアム円
- リップル円
オリジナル定量分析
変化日
変化日からマーケットの値動きを想定します。
- ■為替相場:10月2日、12日、11月3日
- ■商品市場:9月29日、10月14日、22日
- ■仮想通貨市場:10月5日前後、10月8日
- ■株式市場:9月14日
- ■債券市場:10月5日
寸評:10月5日前後の変化日を起点に、市場全体に新たなリズムが生まれる可能性があります
※9月23日時点、変化日とはオリジナルの定量分析で「マーケットシナリオを再考して、戦略を考え直す日」。
マーケット構図
マーケット構図は株高、ドル安が基本構図。商品市場のボラティリティ低下、為替市場はドル安傾向から、市場参加者の投資目線は気迷いしています。市場変化が近づいている印象です。
- ■リスクオフ要素:ゴールド ビットコイン、ジャンク債(HYG)、CDS、TEDの監視、特にTLTの流動性、DXY(ドルインデックス)のドル安展開に注意
- ■リスクオン要素:各国の緩和、景気刺激策、債券市場の変化
主要市場 回帰分析
|
スタンス |
トレード目線 |
カウンターライン (orコアBOX) |
価格推移予想BOX |
TLT |
中立・調整 |
BOX基調 |
149.00±50 |
153.00~180.00 |
ダウ |
中立・調整 |
上昇基調 |
23500±100 |
21500~29600 |
日経平均 |
中立・調整 |
上昇基調 |
18000±50円 |
17500~23800円 |
DAX |
中立・調整 |
上昇基調 |
10000±50 |
10000~13500 |
EUR/USD |
強気 |
上昇基調 |
1.1447±50 |
1.11460±50~ 1.12100±50 |
USD/JPY |
弱気 |
下落基調 |
コアBOX 104.00±50~ 109.50±50円 |
103.00±50~ 110.00±50円 |
BTC/JPY |
上目線・調整 |
BOX基調 |
90万円台±10万円 |
90~140万円台 |
GOLD |
中立・調整 |
上昇基調 |
1650±50 |
1650~2200 |
原油 |
中立目線 |
BOX基調 |
コアBOX 32±1~45±1 |
33.00~55.00 |
※カウンターライン=投資目線を切り替える水準、損切ラインの参考値
※コアBOX=節目としての価格帯
※2020年9月20日時点
全体的に投資スタンスは中立・調整で、基本姿勢は上目線ですが、下目線を加えることも検討です。そして、分析を一旦リセットします。チャートやこれまでの思考をゼロベースにして、分析を一からやり直し、来年を考える時期に入ります。
市場分析の判断指針
ファンダメンタルとアルゴリズム(自動売買)の分析を比較して、現状3対7でアルゴリズムを優先して判断します。市場心理は落ち着き、マクロ経済の動向が見え出していますが、株価推移の判断から投資目線を決めます。
注目の経済指標
当面、中国、米国の景気回復度合いを見比べます。中国の7~9月国内総生産(GDP)は6.0%増、個人消費は5.7%増です。米国はGDP2.1%増、個人消費は3.2%増。
中国以外の景気回復スピードが弱く、世界経済は足踏み状態です。株価が先行して下落するなら、経済指標発表などのイベント後の反応には警戒しましょう。
■トレード・アドバイス
経済指標は、GDPと消費者物価指数、製造業指数が判断材料の軸です。各国特徴があり、時期ごとに重要度合いは異なります。今は、製造業ですが、そろそろ、消費物価の注目度が高まる印象です。経済もブームがあり、タピオカの次はこの商品が来る、といったことと同じです(次は免疫を高める、ハチミツ?)。
主要な中央銀行の予想 12月のFOMC予想
「CME FedWatch Tool」のドットチャートから、FOMCは2020年9月も金利維持を決定です。市場はイールドカーブ・コントロール、マイナス金利の導入議論なども織り込み始めています。12月も同様の決定予想です。レポートや声明には、「穏やかな回復」の表現が増える予想です。
2023年まで実質ゼロ金利となり、市場の膠着が懸念材料の1つです。マーケットの動因が乏しい地合いになるのは心配です。ボラティリテイの定点観測が大切です。
仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析
ビットコインは調整入り。CMC Crypto 200 Indexを見ると、短中期はBOX基調です。ビットコインは上昇展開から、新規材料探しの地合いに移行しました。
仮想通貨ヒートマップ(下記リンク参照)を見ても調整展開の様子です。CME仮想通貨のオプション出来高は増加傾向で、ヘッジファンドなど機関投資家の参入は増えているものの、価格に反映されていません。取引量も低下していることから、当面は方向性が見えない印象です。
NEWS PICK OUT
■(7月22日)米通貨監督庁(OCC)が仮想通貨のカストディサービス提供を許可
仮想通貨市場に大手米銀が参入予定で、長期上昇要因となるでしょう。ただし銀行による仮想通貨の保管管理が可能となっても、すぐに参入はしないと思われます。人材や投資環境の整備には数年を要する可能性があります。
また、ビットコインETFの認可が下りない限り、本格参入する可能性も低くなります。そのため、仮想通貨取引所など、新規の銀行ライセンス取得等に期待を寄せています。米国に限らず日本国内を含めて、世界各国のIT企業と銀行再編の流れも考えられるでしょう。
■(9月16日)仮想通貨取引所クラーケン 銀行新設
仮想通貨取引所の銀行業参入により、銀行業務や資金調達などと組み合わせた仮想通貨の新サービスが期待されます。仮想通貨がより身近になる可能性を秘めており、足踏みしていた状態からやっと進みだした印象です。同様の流れが世界中で波及する可能性もあります。仮想通貨取引所は長期成長銘柄として注目です。いずれ、IT企業でも銀行業への参入や買収、提携などが加速すると思います。
ビットコイン円
ビットコイン円は、回帰分析では強気範囲(85~137万円台)、回帰直線の付近で価格推移。現時点では「上昇基調の調整」が中長期で続く可能性もあります。長期は積立銘柄として検討できますが、目先の市場ポートフォリオの変化から直近の目線を再考します。
テクニカル分析では、移動平均MA21を価格が上回り、短中期のMAはゴールデンクロスで、買いシグナルが点灯。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンはMAと雲を超えて買いシグナルが点灯。短中長期は上昇シグナルになります。
回帰直線の付近で調整展開となり、コアBOX102万円台~110万円台を推移しながら、力を溜めている印象です。サイクル&リズム分析では ローソク足は陽線約5本のリズムで調整しながら、上値120~150万円台に向けて上昇地合いです。フォーメーション分析では下降フラッグを上昇ブレイクとなり、仮想通貨全体をけん引しています。
一方、オシレーター系のクラシックRSI(相対力指数)は60付近推移、スローストキャスティクスは60付近で推移し、共に50を超えており、「買い継続」の判断材料にも考えられます。
注目度・先行性を測る出来高は、やや調整気配となり、上昇継続に疑問符です。調整気配が漂います。2017年12月高値から2020年6月を結ぶ中長期トレンドラインは上値抵抗帯をブレイクし、今後は下値抵抗帯として機能します。調整下落時のサポートラインとして注目です。
これらのテクニカル分析から、今後の展開予想をまとめると、メインシナリオは「強気相場の調整」をしながら、上昇展開を待つイメージです。
100万円台到達から価格推移が安定し、コアBOX102万円台~110万円台で価格推移しながら、上値120~150万円台を目指すシナリオをイメージしています。
突発的な変化に警戒が必要です。カウンターシナリオは下落展開で、70~85万円台の調整範囲を割り込み、50~70万円台まで下落する弱気シナリオです。カウンターラインは70~80万円台で、そこを下回ると、最悪のケースとして20~30万円台まで利益確定売りが加速する可能性も考えられます。株式市場の連れ安から、コロナ・ショックの下落分、約50万円の下値追いも想定されます。
グローバルマーケットは株価堅調ながら、直近の米株市場は調整展開となっています。全体の変化日10月5日に警戒しながら、ビットコインの目線を柔軟に考える局面が近づいています。気持ち穏やかに挑みましょう。
イーサリアム円
イーサリアム円は回帰分析では強気範囲(25000~55000円)の付近で価格推移しながら、短中期は上昇展開を予想。直近の上限30000円を超えたら、レンジブレイクの上値追いも考えられます。
テクニカル分析では、移動平均MA21など短中期のMAはゴールデンクロスで買いシグナル。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンはMA21と雲を上抜け、強気の買いシグナルです。雲から24000~25000円までが調整範囲の目安になります。
ローソク足は週足では陽線、陰線のリズム変化から上昇転換。サイクル&リズム分析からは、力が溜まったら上放れする予想で、2倍値や3倍値も意識され、55000~65000円の上値も想定できます。フォーメーション分析ではフラッグブレイクから、新しいフォーメーション形成となります。
中期トレンドラインは、(1)2018年9月安値から2019年12月安値を結び(2)2019年6月高値から2019年2月高値を結びます。(1)(2)の中期トレンドラインから、トライアングルを上値抜け、短中期の上昇シグナル判断です。
一方、オシレーター系のクラシックRSIは60付近で推移、スローストキャスティクスは60付近で推移しており、共に50を超えて買いシグナル、オシレーター系は過熱感が静まりました。
注目度・先行性を測る出来高は、やや調整シグナリとなり、下値追いに警戒します。基本は上昇継続シグナルです。
これらのテクニカル分析から、今後の展開予想をまとめると、メインシナリオは上昇展開、上値55000~65000円を何度も打診することも考えられますが、慎重に展開を見極める必要があります。カウンターシナリオは回帰直線29000±100円を下値ブレイク、更に雲の付近24000~25000円を割り込む場合、15000~22000円も考えられる弱気シナリオに転換です。
イーサリアムがDeFi(分散型金融)の未来に熱狂し、上昇局面に入っています。グローバルマーケットは株高ドル安の新展開から混迷を生み、ビットコインやアルトコインにおける上昇の勢いを削いでいます。ドル高再開となれば、目線は再考となり、トレードは打診姿勢でいいでしょう。目線を確認する作業が当面は続きます。
リップル円
リップル円は回帰分析の弱気範囲(20~40円)の付近で価格推移。コアBOXは18~23円を上値ブレイクしたものの、反落展開となり、再びコアBOXにて推移する予想。
テクニカル分析では、価格は移動平均MA21を上回り、短中期のMAはゴールデンクロスとなり、買いシグナル、短期MAは下向きだし調整気配。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンはMA21、雲、価格を試し、買いシグナル検討 遅行スパンのWボトム形成から上昇シグナルが強気です。
ローソク足は陰線と陽線、5本のリズムを形成しながら上昇シグナル。サイクル&リズム分析ではリズム変化、ブレイク展開から失速気味です。フォーメーション分析では下降フラッグ形成。(1)2018年9月安値から2019年7月安値を結び、(2)2018年高値から2019年6月高値を結び、(1)(2)の中期トレンドラインは下降推移しており、戻り売りの意識です。ただし、現時点は下値追いが落ちつき横ばい展開しているため、目線を探るのが賢明です。底値形成の可能性が高まっています。
一方オシレーター系のクラシックRSIは50付近で推移、スローストキャスティクスは40付近で推移から、過熱圏から冷却され、押し目買いのシグナル点灯です。
注目度・先行性を測る出来高は調整傾向になり、強気シグナルに陰りを見せています。
これらのテクニカル分析から、今後の展開予想をまとめると、メインシナリオはコアBOX18~23円で価格推移しながら、力を溜めて、強気の上昇を再開するイメージです。上値40~50円台に向かうことも想定しながら、秋のポートフォリオを構築し、打診を繰り返すことも検討できます。
カウンターシナリオは、23±1円前後で停滞した価格推移となってしまい、その流れに失望した売りで18円台を下回り、崩落してゆく悲観シナリオです。
トレンドブレイクした強気相場から調整相場に移行し、それは短中期で続く可能性があります。グローバルマーケットでも9月や10月は調整が予想され、それにつられて仮想通貨市場も弱気調整になる可能性があるので、その点は警戒しておきましょう。基本は買い姿勢を堅持しながら、打診を繰り返し、目線を見定めてゆきます。