ゴールデンベル 2020年12月中旬から1か月のシナリオ分析

【目次】

  • グローバルマーケットの考察
    1. マーケットメモ
    2. NEWS PICK OUT
    3. 狐のミニミニコラム
  • グローバルマーケットのシナリオ分析
    1. 直近1か月の投資スタンス
    2. ヘッジファンドの投資指針
    3. メインシナリオ
    4. カウンターシナリオ
    5. サブシナリオ

グローバルマーケットの考察

【主要銘柄の先月比変動幅】

  • ■ダウ:+2.52%
  • ■日経:+4.02%
  • ■S&P500:+3.97%
  • ■DAX:+3.25%
  • ■ドル円:-0.52%
  • ■ユーロドル:+3.31%
  • ■ビットコイン円:+28.65%
  • ■ゴールド:+0.39%
  • ■原油:+17.17%
  • ■TLT(債券):-1.56%

※2020年12月21日時点

 先月は「株高、ドル安を始めとするリスクオン」と「リスクオフ」の併存した相場展開でした。ビットコインは歴史的高値に向けて上昇中で、現在は株式市場を中心に長期ポートフォリオが完成され、12月のクリスマス相場によるボラティリティ低下の展開が予想されます。

 Fear&Greed IndexはGreed(貪欲)の62台に推移。VIX(恐怖指数)は21%台で推移。2つの指数から、リスクオン6、リスクオフ4の割合で投資割合を考えるといいでしょう。12月にFear&Greed Indexが一時80台後半になるなど、市場の全面楽観視から株価の反落懸念も生まれるようになったものの、12月から1月にかけて市場心理はやや強気で、安定した価格展開が予想されます。

【参考】
Fear&Greed Index(リスクオン、リスクオフの判断)
https://money.cnn.com/data/fear-and-greed/
【参考】
CBOE Volatility Index(恐怖指数)
http://www.cboe.com/vix

マーケットメモ

【マーケットメモ(短中期)】

  • ■アルゴリズムなどによるクリスマスショックや正月ショックに警戒 ↑↓
  • ■新型コロナの欧州第2波、ロックダウンの影響 ↓
  • ■2019年9月、2020年3月、5月、11月のマーケット変化に注目 ☆
  • ■OECDプラス原油の減産緩和 2021年第1四半期まで延長
  • ■ゴールドや資源通貨が季節性から下落傾向 1月上旬に変化の可能性

【マーケットメモ(長期)】

  • ■コロナ後の世界経済、ワクチンの報道 ↓↑
  • ■FEDバランスシート縮小、米国債の流動性低下 ☆
  • ■世界的な景気対策期待、金融相場から業績相場 ↑↓
  • ■ドル不足、新興国リスク ↓
  • ■中国が先行景気回復、他国の回復予想困難 ↓
  • ■中央銀行デジタル通貨(CDBC)の検証 ↑
  • ■EU離脱、イギリス再交渉 ↑↓
  • ■長期ポートフォリオ検討、4年間のプレジデントサイクル

 マーケットにも四季があり、12月はAIやアルゴリズムによる自動売買が中心となり、クリスマスの前後、正月の前後の市場は大幅な価格変動に注意をしてください。12月はゴールド安 資源通貨安という季節性もありますが、1月中旬には上昇する可能性があると考えています。

 民主党のバイデン政権への移行に時間を要することで政治空白が生まれ、世界情勢の不穏なニュースが流れた場合、市場に大きく影響する可能性があります。

 各国政府による金融緩和、財政出動期待から、株高とドル安は維持されつつも、欧州ではコロナ第2波の影響で弱気も見え、ユーロ安になっています。イギリスのEU離脱交渉が難航しており、リスクは依然残ります。中国は先行して景気回復入り。ドル安による新興国の資金流入の増大、ドル建て債券の負担減、輸入物価の抑制などから、アジア経済には変化の兆しが見られ、日本では株高、円高として現れています。市場は見えないリスクも織り込みながら展開しています。

 直近の相場転換点を振り返ると、2019年9月、2020年3月、5月、11月が節目と考えられます。このときの特徴を探ることで、来年のシナリオ構築の参考にできます。

 2021年上半期の材料から、リスクオンが7割、リスクオフが3割の割合で今後の展開を予想しています。2021年第1四半期にはワクチン接種開始による影響が予想され、ここでは株価の利確タイミングを探ります。また、新種のコロナによる悪材料での売り戦略など、急落した場合への備えも大切です。

 2021年は株式市場が緩やかに各市場を牽引しながらも、為替市場が盛り上がりを見せると予想しています。ドル安を軸に、資源国通貨であるAUD、NZD、CADペアに注目が集まり、商品市場のヘッジ見直し、ゴールド・原油の動向変化、仮想通貨市場の選好が高まる可能性をイメージしています。

■トレード・アドバイス

 マーケットメモを見ながら、このニュースが来れば、上昇するだろう、下落するだろうという目星をつけ、そのときどのような投資を行うか、リストアップすることをおススメします。

【参考】
Composite leading indicator(OECD景気先行指数)
https://data.oecd.org/leadind/composite-leading-indicator-cli.htm
【参考】
MSCI ACWI Index(世界株価指数)
https://www.msci.com/acwi
【参考】
S&Pグローバル総合指数(米ドル建て)
https://japanese.spindices.com/indices/equity/sp-global-bmi-usd

 Composite leading indicator(OECD景気先行指数)は99.1で、先進国は100台に乗せるなど回復基調が現れ始め、半年以降の経済見通しは明るいことを示唆しています。MSCI ACWI Index(世界株価指数)も640台に乗せ堅調推移で歴史的高値を更新中。S&Pグローバル総合指数(米ドル建て)は、月初来リターンは+4.15%とプラス展開です(前回の9%台に比べるとやや鈍化)。

 マーケットメモの総括としては、世界経済は回復傾向を強めながらも、OECDやIMFはコロナによる経済悪化を警戒しています。私個人としては、長期投資サイクルによる市場構図を見定め、3つの指数からリスクオン7、リスクオフ3という局面を想定し、各市場・銘柄への投資姿勢を構築しております。

■トレード・アドバイス
 全体を俯瞰する視野と共に、細かいデータも見る習慣作りが大切です。これは天空の狐スタイルなので、自分に合うスタイルを模索してみてください。頭の整理と共に、上昇・下落・様子見といった投資行動の目線を定めることが肝になります。

NEWS PICK OUT

■(11月19日)米国Google スマホアプリで銀行サービスを2021年に開始予定
 米Googleがスマホアプリによる銀行サービスを2021年に開始すると発表。送金にはグーグルペイを利用するなど、銀行サービスに変革をもたらし、市場構造にまで影響を及ぼしそうです。様々な規制の壁を乗り越え、日本上陸など今後の展開には期待したいです。「銀行株売り・ハイテク株買い」の材料にもなり得、サービスリリース後の市場インパクトも大きそうです。

■(12月10日)JPモルガンのストラテジスト 金相場の低迷を指摘
 JPモルガンのストラテジストが「ゴールドに置かれていた資産が、ビットコインへ流入」したことで、金相場の低迷を指摘。こうした金融媒体経由の相場コメントには要注意です。

 本当にそのような動きになるかどうかは自身の目をもって確かめた方が賢明でしょう。金相場の低迷という相場コメントが現れれば、相場状況によっては金を買うという行動を、自身の選択肢から完全に外す必要はないと考えています。相場が荒れているときこそ、様々な情報を鵜呑みにするのではなく、その情報により、市場のポジションがどう変化したのか、を自身でしっかり観察すると、今後の投資に活かせるようになります。

■(12月15日)米ロビンフッド 一部中国株の取引を中止
 個人向け株取引アプリを提供するロビンフッドは、米大統領令により1月4日から一部中国株の取り扱いを中止すると発表。これを受け、米国内でも有数の指数取扱い会社でも、一部中国銘柄を除外する方針を示しています。バイデン新政権が正式に動き始めてからでも、こうした動きが続くのか、注目です。

 これは市場へどのような影響をもたらすのでしょうか、「米国からの中国投資の行方」には目が離せません。さらにEUやアジアに影響が広がれば、各国投資家のポートフォリオ選定にも響くことが予想され、政治主導で中国ファンド・中国企業の取り扱いが変化する可能性もあります。

■トレード・アドバイス
 報道を見たら、投資行動のシナリオを描きましょう。分析⇒投資の手順を踏むことが重要です。目先の相場に惑わされず、心身を整えて、データと共に相場へ向き合います。日々の報道から、上昇要因、下落要因、様子見と3つの投資指針をしっかり持つことで、瞬発的に動くとき・休むときのメリハリが生まれます。

狐のミニミニコラム

 今年を振り返ると、新型コロナウイルスにより日本は10年先のテクノロジーが促進されたように思えます。生活様式の変化が求められ、新しい経済サイクルに突入しているのかもしれません。

 今回の記事タイトルに使用した「ゴールデンベル(連翹:れんぎょう)」の花言葉は「集中、希望、春を告げる花」とされています。今後は新しい投資先を探す意識を持つのもいいでしょう。「人の行く裏に道あり花の山」という投資格言のとおり、「多くの人が気づいていない何か」を求めようとするのも大切です。

 今の相場は目線が「株高、ドル安」に偏り過ぎており、そろそろ次なる「花の山」を探すため、AIやブロックチェーンを追いかけながら、新しい何かを探そうと思います。新年の目標は「針葉と落葉を探す」をテーマに、「生き残る銘柄と衰退する銘柄」探しに没頭します。

グローバルマーケットのシナリオ分析

直近1か月の投資スタンス

【様子見の姿勢 AI、アルゴリズムに警戒】

 12月はAI、アルゴリズムが作る相場になりやすいです。基本的に様子見で、トレードのシミュレーション、試験的なトレードに留めた方が無難でしょう。クリスマス相場が近づくと、相場は閑散とし始め、AIやアルゴリズムによる突発的な価格変動をもたらす可能性も高くなります。

 参考までに、2021年上半期のポートフォリオは、市場構図の方向性が整うことで、「株高、ドル安、円高、TLT高、ゴールド高、原油高、ビットコイン高」を見据えています。

ヘッジファンドの投資指針

【ヘッジファンドの投資指針】

  • ■ヘッジファンドが米長期債先物でショートポジション縮小
  • ■ヘッジファンドは2018年以来のドル売り、継続的なドル安見通し
  • ■ヘッジファンドの原油ポジション解消傾向

 ヘッジファンド、インディケーターの順でパフォーマンスを見ていくと、今後の投資戦略が見えてきます。ヘッジファンドに優位な相場展開となり、リスクオン7・リスクオフ3の割合で、相場と向き合う準備をしています。ヘッジファンドのパフォーマンス動向から、今後も株高、ドル安、TLT高の安定した相場展開が予想されます。

 Eurekahedge Hedge Fund Indexの11月評価が+4.51%、自動売買のEurekahedge AI Hedge Fund Indexが+4.16%、仮想通貨はEurekahedge Crypto-Currency Hedge Fund Indexの+29.94%と、全体的にパフォーマンスは上昇傾向。仮想通貨ファンドが30%近くのパフォーマンスをあげるなど、ヘッジファンドに優位な地合いが続くと予想されます。

【参考】
Eurekahedge Hedge Fund Index(ヘッジファンドのパフォーマンス)
https://www.eurekahedge.com/Indices

 SG TREND INDICATORから過去1か月間の市場評価は+60.3%と回復傾向、自動売買のSG CTA Indexは+2.84%、株価は+1.30%、FXは+2.88%、債券が-0.02%商品は+1.81%で、全体のポートフォリオは+5.98%です。全体的に回復傾向を強め、買い・売りの銘柄選定が定まり、継続的なトレンド形成から安定期に入る予想です。

【参考】
SG TREND INDICATOR(プライムサービスのインディケーター)
https://cib.societegenerale.com/fileadmin/indices_feeds

■トレード・アドバイス1

 ヘッジファンドのデータベースから、彼らの姿勢や目線、有効戦略が見えたら、同じようにするのか、それとも裏をかくかなど、現在のマーケットに有用な投資戦略が見えてきます。そして、どの市場のボラティリティが強くなるか、弱くなるかを見極めることにも繋がります。

 プロが攻める市場、逃げる市場が分かれば、どこを主戦上とし、どんな戦略で挑むかを探る手助けになり、自ずと戦いやすい市場を見つけることに繋がります。

■トレード・アドバイス2

 国際通貨先物市場(IMM)データをもとに、FXに役立つ情報を得ることも可能です。2020年12月14日週時点のデータとIG Client Sentimentも参考に、ドル円とユーロドルを見ていきましょう。

・ドル円:売りポジション僅か、買いポジション変動なく⇒売買拮抗、急落のない円高傾向、方向模索、やや売り目、中立目線
【買いポジション70%/売りポジション30%:買い優勢】

・ユーロドル:買いポジション増加、売りポジション解消⇒買い強気、買い目、上目線
【買いポジション37%/売りポジション63%:売り優勢】

【参考】
国際通貨先物市場(IMM) 通貨の建て玉(ポジション)の残高 プロの長期目線
https://www.cftc.gov/MarketReports/CommitmentsofTraders/
【参考】
IG Client Sentiment 売買ポジション動向 個人投資家の短期目線(IG口座保有者に限る)
https://www.dailyfx.com/sentiment

 ヘッジファンドや機関投資家、投機筋の買い・売りにおける保有ポジションの状況から為替相場の動向を予想をします。IMMデータは「前週における分析結果」なので、現在のチャート動向との比較が大切です。

 データの傾向から(1)から(4)の投資行動が考えられます。また、これらは中長期ポジションの目線であり、「自身の短期目線と同じかどうか」など投資姿勢の確認にも有効です。

(1)買いポジション過熱:下落の可能性⇒様子見・調整・転換を見極め、売り目検討もしくはシナリオの再考
(2)買いポジション継続:トレンド継続⇒打診・追撃・利益確定を検討でき、好機継続
(3)売りポジション過熱:上昇の可能性⇒様子見・調整・転換を見極め、買い目検討もしくはシナリオの再考
(4)売りポジション継続:トレンド継続⇒打診・追撃・利益確定を検討でき、好機継続

※(1)と(3)は「シナリオの再考」、(2)と(4)は「好機継続」と考えられます。

メインシナリオ

【様子見 1月7~9日に再開想定】

 12月は様子見が基本で、クリスマス相場、AIやアルゴリズム相場での取引はおすすめしません。相場分析やAIの研究など、別の時間に充ててもいいでしょう。2019年9月、2020年3月、5月、11月のマーケットは、転換の節目として要チェックです。

 変化日は1月4日に集中しており、1月7~9日から本格的にトレードを再開する予定です。

 来年は米株市場の飽和から、アジア株や為替市場、仮想通貨市場が面白くなりそうです。

カウンターシナリオ

【新型コロナウイルス 悲観シナリオ】
(1)新型コロナウイルスが欧米経済にさらなる打撃
(2)新型コロナウイルスが新興国(アフリカなど)で蔓延し、再度、先進国での感染拡大
(3)ウイルスの突然変異が世界的に猛威を振るう

 市場には悲観シナリオがいくつか織り込まれていたものの、景気不透明感からの株式市場の下落が長引く可能性はあります。

 上記悲観シナリオ以外に、思いがけないブラックスワン(突発的な下落要因)が誕生する可能性は否定できません。新興国の債務超過、銀行・企業倒産などによる崩落マーケットもシナリオとしてはあり得ます。

 再生系ヘッジファンドの動向などから予兆を探る準備はしています。

サブシナリオ

【ワクチン接種 正常化宣言の利確】

 ワクチンの接種が開始され、各国が正常化に向かう見通しがつくと、各市場で利益確定の流れが生まれるかもしれません。正常化の時期には様々な憶測を呼んでいるので、時期を特定することは難しいです。

 正常化宣言による利益確定の下落があっても、市場はその後の上昇反発に備える姿勢となるでしょう。下落幅や上昇幅は直近の相場データから、ある程度想定することも可能だと考えています。

Author

天空の狐

天空の狐

ALTS investor Media 編集部 IFTA国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト、ESTA名誉会員(日本人で唯一)、ヘンリー・ビジネス・スクール ヘッジファンドプログラム修了。PythonMT4・MT5自動売買&裁量Aiトレーダー。ドイツ企業INTALUS.日本代表を経て、ドイツ金融アルゴリズムTradesignal日本代表に。テクニカル分析やアルゴリズム・ストラテジー開発。ヘンリー・ビジネス・スクールヘッジファンド・プログラムのアドバイザーを従事。ブログ「天空の狐 ビットコイン&グローバルマーケット」、マネーポストWEB執筆中。Twitter:@firmamentfox

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