【目次】
- グローバルマーケットの考察
- マーケットメモ
- NEWS PICK OUT
- 狐のミニミニコラム
- グローバルマーケットのシナリオ分析
- 直近1か月の投資スタンス
- ヘッジファンドの投資指針
- メインシナリオ
- カウンターシナリオ
- サブシナリオ
グローバルマーケットの考察
【主要銘柄の先月比変動幅】
- ■ダウ:+2.04%
- ■日経:+6.86%
- ■S&P500:+1.99%
- ■DAX:+3.18%
- ■ドル円:+0.23%
- ■ユーロドル:-0.67%
- ■ビットコイン円:+92.25%
- ■ゴールド:-1.51%
- ■原油:+9.00%
- ■TLT(債券):-4.17%
※2021年1月18日時点
先月は株高と共にビットコインが急騰、今月には450万円台まで到達しました。一方でゴールドやTLT(債券)は下落傾向で為替市場はドル安が一服。市場全体の変化が近く、ポートフォリオの見直しを考えており、2~3月の市場は荒れ模様が予想されます。
Fear&Greed IndexはGreed(貪欲)の58台に推移。VIX(恐怖指数)は24%台で推移。2つの指数から、リスクオン5、リスクオフ5の割合での投資方針で問題ないでしょう。
マーケットメモ
【マーケットメモ(短中期)】
- ■2019年9月、2020年3月、5月、11月のマーケット変化に注目 ☆
- ■OPECプラス原油の減産緩和 2021年第1四半期まで延長
- ■20日米国大統領バイデン就任式 ハネムーン相場で上昇開始の可能性 ↑
【マーケットメモ(長期)】
- ■コロナ後の世界経済、ワクチンの報道 ↓↑
- ■FEDバランスシート縮小、米国債の流動性低下 ☆
- ■世界的な景気対策期待、金融相場から業績相場 ↑↓
- ■ドル不足、新興国リスク ↓
- ■中国が先行景気回復、他国の回復予想困難 ↓
- ■コモディティ・インデックスに注目 ↑
- ■中央銀行デジタル通貨(CDBC)の検証 ↑
- ■イギリスはEU離脱完了 ↑
- ■長期ポートフォリオ検討、4年間のプレジデントサイクル
2020年はコロナ禍により、金融緩和、財政出動が世界各国で進み、株高・ドル安の構図となりました。
2021年のテーマは経済正常化、米国バイデン政権によるグローバル主義への回帰、ドル政策、米中の政治動向などが挙げられます。コロナのワクチン接種が進むと、株式市場などでは一時的に利確タイミングが訪れるかもしれません。
1月20日バイデン新大統領の就任式を前に、米国市場では10年債利回りが1%超え。米長期金利の上昇から金融株やバリュー株に資金が移動しました。
バイデン政権の運営が盤石となれば、景気刺激策への期待がされるものの、ドル政策やハイテク企業への規制などが不安です。中国企業への投資、大手インデックスでの中国株の取扱いにも注目が集まります。
今年は株式市場だけではなく、ビットコイン動向、中国株動向、資源国通貨やエネルギー、鉄鋼関連などもマーケット構図の判断材料になるでしょう。
■トレード・アドバイス
マーケットメモを見ながら、このニュースが来れば、上昇するだろう、下落するだろうという目星をつけ、そのときどのような投資を行うか、リストアップすることをおススメします。
Composite leading indicator(OECD景気先行指数)は99.4で、先進国は100台に乗せるなど回復基調が現れ始め、半年以降の経済見通しは明るいことを示唆しています。MSCI ACWI Index(世界株価指数)も660台に乗せ、歴史的高値を更新中。S&Pグローバル総合指数(米ドル建て)は、月初来リターンは+2.79%とプラス展開です。
マーケットメモの総括としては、世界経済は回復傾向が現れるものの、株価と実体経済との乖離に警戒が高まります。長期投資サイクルによる市場構図を見定め、3つの指数からリスクオン6、リスクオフ4という局面を想定し、各市場・銘柄への投資姿勢を構築していきます。
■トレード・アドバイス
全体を俯瞰する視野と共に、細かいデータも見る習慣作りが大切です。これは天空の狐スタイルなので、自分に合うスタイルを模索してみてください。頭の整理と共に、上昇・下落・様子見といった投資行動の目線を定めることが肝になります。
NEWS PICK OUT
■(12月1日)バイデン新大統領 財務長官にイエレン氏を指名
バイデン新大統領から財務長官に指名された元FRB議長イエレン氏に注目が集まります。ドルインデックスは1月に入ると、ドル安一辺倒とはなっていません。ドルのトレンドが変化すれば、様々な市場にも影響を与えるため、彼女の発言や動向に注意しましょう。
■(12月31日)中国の鉄鋼先物 2年連続上昇
今後の中国経済を占う判断材料のひとつになります。中国国内の旺盛な鉄鋼需要が、鉄鉱石の価格を上昇させ、またAUDやNZD、CADペアなどの資源国通貨にも影響を与えています。中国経済は様々な市場と連動するので、こうしたニュースも見落とさないようにします。
■トレード・アドバイス
報道を見たら、投資行動のシナリオを描きましょう。分析⇒投資の手順を踏むことが重要です。目先の相場に惑わされず、心身を整えて、データと共に相場へ向き合います。日々の報道から、上昇要因、下落要因、様子見と3つの投資指針をしっかり持つことで、瞬発的に動くとき・休むときのメリハリが生まれます。
狐のミニミニコラム
春の闇とタイトルにしたは、米国の政権交代が市場にどう影響を与えるのか見通せないためです。また米国国内での中国株の規制といたカウンターシナリオも今年は軽視できません。経済の正常化は大いに期待するものの、脇を甘くして大きな痛手を負わないよう、様々なシナリオを想定しながら投資を行います。
グローバルマーケットのシナリオ分析
直近1か月の投資スタンス
【慎重 打診 目線の成否】
2~3月は荒れやすい相場を予想しており、投資スタンスは慎重が賢明です。投資指針の軸足として、これまでの株高・ドル安構図が続けば挑戦、株高・ドル高に変化するなら様子見とします。
バイデン政権の動向、ドルインデックスの動きから、打診と共に今後の投資目線を見定めます。
ヘッジファンドの投資指針
【ヘッジファンドの投資指針】
- ■ヘッジファンドは2021年ドル安見通し
- ■ハイテク株、仮想通貨関連に注目
ヘッジファンド、インディケーターの順でパフォーマンスを見ていくと、今後の投資戦略が見えてきます。ヘッジファンドに優位な相場展開となり、彼らはリスクオン6・リスクオフ4の割合で、相場と向き合う準備をしているでしょう。ヘッジファンドのパフォーマンスから、2021年はドルトレンド、ハイテク株、仮想通貨関連の動向に注視します。
Eurekahedge Hedge Fund Indexの12月の評価が+3.39%、自動売買のEurekahedge AI Hedge Fund Indexが+2.22%、仮想通貨はEurekahedge Crypto-Currency Hedge Fund Indexは+21.84%と、全体的にパフォーマンスは低下傾向。新興勢力の仮想通貨ファンドが伸びていますが、マクロ系と比べてパフォーマンスは小さく、本格的な展開に向けてテストされてゆく印象です。
SG TREND INDICATORから過去1か月間の市場評価は+6.72%と回復傾向、自動売買のSG CTA Indexは+0.95%、株価は+2.09%、FXは+0.30%、債券が0.00%商品は+3.11%で、全体のポートフォリオは+6.65%です。全体的に回復傾向を強め、買い・売りの銘柄選定が定まり、安定期に入る予想です。
■トレード・アドバイス1
ヘッジファンドのデータベースから、彼らの姿勢や目線、有効戦略が見えたら、同じようにするのか、それとも裏をかくかなど、現在のマーケットに有用な投資戦略が見えてきます。そして、どの市場のボラティリティが強くなるか、弱くなるかを見極めることにも繋がります。
プロが攻める市場、逃げる市場が分かれば、どこを主戦上とし、どんな戦略で挑むかを探る手助けになり、自ずと戦いやすい市場を見つけることに繋がります。
■トレード・アドバイス2
国際通貨先物市場(IMM)データをもとに、FXに役立つ情報を得ることも可能です。2021年1月16日週時点のデータとIG Client Sentimentも参考に、ドル円とユーロドルを見ていきましょう。
・ドル円:買いポジション増加⇒円高が静まりやや円安、買い目検討、中立目線
【買いポジション58%/売りポジション42%:買い優勢】
・ユーロドル:買いポジション増加、売りポジション解消⇒買い強気、買い目、上目線
【買いポジション47%/売りポジション53%:売り優勢】
ヘッジファンドや機関投資家、投機筋の買い・売りにおける保有ポジションの状況から為替相場の動向を予想をします。IMMデータは「前週における分析結果」なので、現在のチャート動向との比較が大切です。
データの傾向から(1)から(4)の投資行動が考えられます。また、これらは中長期ポジションの目線であり、「自身の短期目線と同じかどうか」など投資姿勢の確認にも有効です。
(1)買いポジション過熱:下落の可能性⇒様子見・調整・転換を見極め、売り目検討もしくはシナリオの再考
(2)買いポジション継続:トレンド継続⇒打診・追撃・利益確定を検討でき、好機継続
(3)売りポジション過熱:上昇の可能性⇒様子見・調整・転換を見極め、買い目検討もしくはシナリオの再考
(4)売りポジション継続:トレンド継続⇒打診・追撃・利益確定を検討でき、好機継続
※(1)と(3)は「シナリオの再考」、(2)と(4)は「好機継続」と考えられます。
メインシナリオ
【リスクオフ銘柄、ドルインデックスに注目】
当面は株高、ドル安がメインシナリオですが、ドルインデックスが91.50~92へ向かい、ドル高へ回帰するなら様子見、シナリオ再考です。ポジション量は打診的な1/10~1/5ほどの量でいいでしょう。
2~3月は市場全体で値動きが荒れやすいという季節性もあり、バイデン新政権への交代で、市場は振り回されるでしょう。リスクオフ銘柄を中心に打診しながら、株価・ドルの動向が安定したら、本格的なポジション量で投資を行う想定です。
カウンターシナリオ
【新型コロナウイルス 悲観シナリオ】
(1)新型コロナウイルスが欧米経済にさらなる打撃
(2)新型コロナウイルスが新興国(アフリカなど)で蔓延し、再度、先進国での感染拡大
(3)ウイルスの突然変異、変異体が世界的に猛威を振るう
経済正常化への期待はありながらも、市場には景気の先行き不透明感が残ります。コロナ変異種がロンドンや南アフリカ、ブラジルで発現し、想定したように終息しない可能性も。
上記悲観シナリオ以外に、思いがけないブラックスワン(突発的な下落要因)が誕生する可能性は否定できません。新興国の債務超過、銀行・企業倒産などによる崩落マーケットもシナリオとしてはあり得ます。
サブシナリオ
【ワクチン接種、正常化宣言による利確】
イスラエルやロンドンではワクチンの接種が開始され、各国が正常化に向かう見通しがつくと、各市場で利益確定の流れが生まれるかもしれません。正常化の時期には様々な憶測を呼んでいるので、時期を特定することは難しいです。
正常化宣言による利益確定の下落があっても、市場はその後の上昇反発に備える姿勢となるでしょう。下落幅や上昇幅は直近の相場データから、ある程度想定することも可能だと考えています。