【目次】
- グローバルマーケットの考察
- マーケットメモ
- NEWS PICK OUT
- 狐のミニミニコラム
- グローバルマーケットのシナリオ分析
- 直近1か月の投資スタンス
- ヘッジファンドの投資指針
- メインシナリオ
- カウンターシナリオ
- サブシナリオ
グローバルマーケットの考察
【主要銘柄の変動幅(1月⇒2月)】
- ■ダウ:+1.09%
- ■日経:+5.06%
- ■S&P500:+2.23%
- ■DAX:-0.83%
- ■ドル円:+0.63%
- ■ユーロドル:-0.91%
- ■ビットコイン円:+16.58%
- ■ゴールド:-0.35%
- ■原油:+10.45%
- ■TLT(債券):-1.96%
株は堅調、ダウ、S&P500、NASDAQは歴史的高値を更新。原油、ビットコインも上昇しています。一方でTLT(債券価格)は分岐点149~150±50から下落傾向を強め、為替市場はドル高への転換も一服。市場構図が変化しそうな雰囲気で、市場は荒れ模様が予想されます。ポートフォリオの見直しも必要となるでしょう。
Fear&Greed IndexはGreed(貪欲)の56台に推移。VIX(恐怖指数)は21%台で推移。2つの指数から、短期的な市場観測としてリスクオン4、リスクオフ6の割合での投資方針で問題ないでしょう。
マーケットメモ
【マーケットメモ(短中期)】
- ■2019年9月、2020年3月、5月、11月のマーケット変化に注目 ☆
- ■米国の景気刺激策への期待 ↑
- ■コロナ終息、経済正常化の織り込み ↓
- ■OPECプラス原油の減産緩和、2021年第1四半期まで延長
- ■サウジアラビア 原油減産 ↑
- ■ダウ、S&P500、NASDAQは歴史的高値を更新 ↑
- ■テスラ ビットコイン購入 ↑
- ■TLT(債券)は分岐点149~150±50から下落傾向 ↓
【マーケットメモ(長期)】
- ■コロナ後の世界経済、ワクチンの報道 ↓↑
- ■FEDバランスシート縮小、米国債の流動性低下 ☆
- ■世界的な景気対策期待、金融相場から業績相場 ↑↓
- ■ドル不足、新興国リスク ↓
- ■中国が先行景気回復、他国の回復予想困難 ↓
- ■米中関係 ↑↓
- ■コモディティ・インデックスに注目 ↑
- ■中央銀行デジタル通貨(CDBC)の検証 ↑
- ■長期ポートフォリオ検討、4年間のプレジデントサイクル
バイデン政権の誕生はアメリカはグローバル主義への回帰となり、市場と景気サイクルが変化してきました。株式市場は上昇の勢いを強め、ダウは歴史的高値を更新、ドルインデックスは一時上昇したものの、現状はドル安再開の気配を見せています。ドルの方向性はまだ見極めるのに時間が必要です。
先月からマーケット全体がドルに左右されていましたが、市場参加者の中には商品市場の原油に注目している人もおり、目先原油の変動が強くなるかもしれません。
各国でコロナ・ワクチンの接種が始まり、株式市場などには経済正常化が織り込まれ始めています。マーケットは新規材料を求めており、ちょっとした材料でも過敏に反応するかもしれません。
バイデン政権はトランプ政権とは異なる方針となりそうで(特に米中関係)、グローバルマーケットの定点観測材料を見直しが求められ、またテスラがビットコインを購入するなど、企業価値の判断も改める必要があります。
今後は、堅調な株式市場を支えるドルやビットコイン、TLTの動向に注目です。また、中国株動向、資源国通貨やエネルギー、鉄鋼関連などもマーケット構図の判断材料になるでしょう。
■トレード・アドバイス
マーケットメモを見ながら、このニュースが来れば、上昇するだろう、下落するだろうという目星をつけ、そのときどのような投資を行うか、リストアップすることをおススメします。
Composite leading indicator(OECD景気先行指数)は99.6で、先進国は100台に乗せるなど回復基調が現れ始め、半年以降の経済見通しは明るいことを示唆しています。MSCI ACWI Index(世界株価指数)も670台に乗せ、歴史的高値を更新中。S&Pグローバル総合指数(米ドル建て)は、月初来リターンは+5.84%とプラス展開です。
マーケットメモの総括としては、世界経済は回復傾向が現れるものの、株価と実体経済との乖離に警戒が高まります。長期投資サイクルによる市場構図を見定め、3つの指数から長期的な市場観測にリスクオン6、リスクオフ4という局面を想定し、各市場・銘柄への投資姿勢を構築していきます。
■トレード・アドバイス
全体を俯瞰する視野と共に、細かいデータも見る習慣作りが大切です。これは天空の狐スタイルなので、自分に合うスタイルを模索してみてください。頭の整理と共に、上昇・下落・様子見といった投資行動の目線を定めることが肝になります。
NEWS PICK OUT
■(1月26日)給料の支払いをデジタル払いでもOKに 政府方針
政府は、給与の支払いを銀行振込以外で「デジタル払い(○○ペイなどの資金移動業者)」も対象とする方針を発表しました。
この方針により、銀行口座の利用者数が大幅に変わるなら、銀行にとっては大きな打撃となるでしょう。決済アプリなどの資金移動業者にとっては大きなチャンスであり、顧客獲得はデジタルデータの増加に繋がり、自社マーケティングなどにも活用されると考えられます。将来的に国内、国外とデジタル取引が増えることにも繋がるでしょう。
■(1月28日)投稿サイト「レディット」による相場変動
米投稿サイト「レディット」内のユーザーの働きかけで、ゲームストップという株が約2週間で1700%急騰しました。ゲームストップに空売りを仕掛けていたヘッジファンドの中には、レディットの動きにより、大きな損失を抱えた業者もいたようで、プロが敗北したなどと報道されることもありました。
今回はヘッジファンドのポジション状況から、個別株が狙われましたが、次はどの市場をターゲットにするか探しているようです。
新しい投資の潮流として、こうした投稿サイトに注目はするものの、この情報を受け市場参加者がどう動くのか、ということを見極めることが重要となります。熱くなり過ぎず、冷静に情報を精査しなくてはなりません。
■トレード・アドバイス
報道を見たら、投資行動のシナリオを描きましょう。分析⇒投資の手順を踏むことが重要です。目先の相場に惑わされず、心身を整えて、データと共に相場へ向き合います。日々の報道から、上昇要因、下落要因、様子見と3つの投資指針をしっかり持つことで、瞬発的に動くとき・休むときのメリハリが生まれます。
狐のミニミニコラム
当面のマーケットシナリオに負のイメージがつきまといます。1つの過ちで大怪我するほど、市場転換の気配が強まっています。
目先の相場は引き続き上昇目線で考えていますが、一方でポジション解消や利益確定の流れ、下目線に急展開の可能性など、新しいシナリオも考えられる状況です。全体の目線を短中期、長期と分け、投資スタンスはやや柔軟に構えた方が賢明でしょう。
グローバルマーケットのシナリオ分析
直近1か月の投資スタンス
【柔軟】
投資スタンスは柔軟に構えます。投資指針の軸足として、株高・ドル安構図に戻り始めていますが、市場構図や市場サイクルの移行局面であり、ドル高が再開する可能性も否定できません。3月のFOMC、イエレン財務長官の発言に注意が必要です。ドル政策は相場の方向性を決めるため、その方向性が決まってからでの投資でも遅くはないでしょう。
ドルインデックスの動向から、今後の投資全体を見定めます。
ヘッジファンドの投資指針
【ヘッジファンドの投資指針】
- ■ヘッジファンドは2021年ドル安見通し
- ■ハイテク株、仮想通貨関連に注目
ヘッジファンド、インディケーターの順でパフォーマンスを見ていくと、今後の投資戦略が見えてきます。ヘッジファンドに優位な相場展開となり、資金流入の増加から、出来高の増加が期待されます。ヘッジファンドのパフォーマンスから、2021年はドルトレンド、ハイテク株、仮想通貨関連の動向に注視します。
Eurekahedge Hedge Fund Indexの1月の評価が+0.54%、自動売買のEurekahedge AI Hedge Fund Indexが-3.38%、仮想通貨はEurekahedge Crypto-Currency Hedge Fund Indexは+27.67%と、全体的にパフォーマンスは上昇傾向。AIファンドは低迷となり、戦略の見直しが始まります。仮想通貨ファンドは続伸です。仮想通貨には機関投資家の買い増加など、継続的な地合いが予想されます。
SG TREND INDICATORから過去1か月間の市場評価は+5.91%と回復傾向、自動売買のSG CTA Indexは+2.63%、株価は+2.66%、FXは+0.63%、債券が0.00%商品は+0.13%で、全体のポートフォリオは+5.84%です。全体的に回復傾向を強め、買い・売りの銘柄選定が定まり、安定期に入る予想です。
■トレード・アドバイス1
ヘッジファンドのデータベースから、彼らの姿勢や目線、有効戦略が見えたら、同じようにするのか、それとも裏をかくかなど、現在のマーケットに有用な投資戦略が見えてきます。そして、どの市場のボラティリティが強くなるか、弱くなるかを見極めることにも繋がります。
プロが攻める市場、逃げる市場が分かれば、どこを主戦上とし、どんな戦略で挑むかを探る手助けになり、自ずと戦いやすい市場を見つけることに繋がります。
■トレード・アドバイス2
国際通貨先物市場(IMM)データをもとに、FXに役立つ情報を得ることも可能です。2021年2月13日週時点のデータとIG Client Sentimentも参考に、ドル円とユーロドルを見ていきましょう。
・ドル円:買いポジション増加 売りポジション解消 ⇒買い強気、円安、上目線
【買いポジション63%/売りポジション37%:買い優勢】
・ユーロドル:買いポジション増加、売りポジション調整⇒買い強気、ユーロ高、上目線
【買いポジション37%/売りポジション63%:売り優勢】
ヘッジファンドや機関投資家、投機筋の買い・売りにおける保有ポジションの状況から為替相場の動向を予想をします。IMMデータは「前週における分析結果」なので、現在のチャート動向との比較が大切です。
データの傾向から(1)から(4)の投資行動が考えられます。また、これらは中長期ポジションの目線であり、「自身の短期目線と同じかどうか」など投資姿勢の確認にも有効です。
(1)買いポジション過熱:下落の可能性⇒様子見・調整・転換を見極め、売り目検討もしくはシナリオの再考
(2)買いポジション継続:トレンド継続⇒打診・追撃・利益確定を検討でき、好機継続
(3)売りポジション過熱:上昇の可能性⇒様子見・調整・転換を見極め、買い目検討もしくはシナリオの再考
(4)売りポジション継続:トレンド継続⇒打診・追撃・利益確定を検討でき、好機継続
※(1)と(3)は「シナリオの再考」、(2)と(4)は「好機継続」と考えられます。
メインシナリオ
【ドルインデックスで見定める「全体の投資指針」】
目先は株高、ドル安がメインシナリオです。ドルインデックスが91.50~92へ向かい、ドル高へ回帰するなら様子見、シナリオ再考です。反対にドルインデックスが90.10~89台に向かうドル安ならば、投資環境が明瞭になり、目線を判断できます。
2~3月は市場全体が荒れ模様の季節なので、ポジション量は打診的な1/10~1/5ほどの量でいいでしょう。打診しながら、株価・ドルの動向が安定したら、本格的なポジション量で投資を行う想定です。
カウンターシナリオ
【ワクチン接種、正常化宣言による利確】
各国でコロナワクチンの接種が開始され、経済正常化への見通しが立つことで、株式市場や為替相場などで利益確定の動きが出る可能性もあります。
利益確定後は、上昇反発に向かうと予想しています。また、流動性相場から業績相場へ変化し、上昇銘柄・下落銘柄の判別が必要となります。下落幅や上昇幅は直近の相場データから、ある程度想定する事が大切になると考えています。
ワクチンの接種は数年続く見通しもあり、日常的な病気として定着する可能性もあります。正常化宣言の直後には様々な憶測と共に、市場も荒れる可能性があるので、注意をしましょう。