【目次】
- オリジナル定量分析
- 変化日
- マーケット構図
- 主要市場 回帰分析
- 市場分析の判断指針
- 注目 経済指標
- 仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析
- NEWS PICK OUT
- ビットコイン円
- イーサリアム円
- リップル円
オリジナル定量分析
変化日
変化日からマーケットの値動きを想定します。
- ■為替相場:2月19日、3月3日、12日
- ■商品市場::2月23日、3月12日
- ■仮想通貨市場:2月23日、3月6日、11日
- ■株式市場:3月12日
- ■債券市場:3月8日
寸評:3月12日前後に強い変化日の点灯 相場全体の転換可能性です
※2月15日時点、変化日とはオリジナルの定量分析で「マーケットシナリオを再考して、戦略を考え直す日」
マーケット構図
マーケット構図は目先、株高が継続。株式市場はバリュー株(割安株)、ハイテク株動向に注目が集まります。為替市場はドル高傾向が一服し、現在は下落再開の気配を高めています。
仮想通貨市場はビットコイン高で急騰続伸。債券市場もTLT(債券価格)分岐点149~150±50を割れこみ下落展開。ドルとの相関が薄れ、市場不安を象徴しています。商品市場はゴールドの調整が長期化、原油は高値続伸。
各市場の構図変化から、業績相場への移行局面と考えられます。2021年上半期の市場全体の構図は、ドルインデックスを指針に判断です。
- ■リスクオフ要素:ジャンク債(HYG)、CDS、TEDの監視、特にTLTの流動性
- ■リスクオン要素:各国の緩和、景気刺激策
■トレード・アドバイス
マーケット構図を把握することで、「投資シナリオを維持するか、再考するか」の判断ができます。例えば、基本構図が株高・ドル安で、次の日が株高・ドル高になれば、投資は様子見し、市場変化を見極める、という行動に移れます。
主要市場 回帰分析
|
スタンス |
トレード目線 |
カウンターライン (orコアBOX) |
価格推移予想BOX |
TLT |
弱気 |
下落基調 |
156±50 |
140.00~165.00 |
ダウ |
強気 |
上昇基調 |
25000±100 |
26000~34000 |
S&P500 |
強気 |
上昇基調 |
3300±100 |
3200~4200 |
日経平均 |
強気 |
上昇基調 |
26000±50円 |
22000~30000円 |
DAX |
強気 |
上昇基調 |
12000±50 |
11100~15600 |
EUR/USD |
中立、買い目 |
上昇基調 |
1.1800±50 |
1.1800±50~ 1.2700±50 |
USD/JPY |
強気 |
上昇基調 |
102.00±50円 |
101.30±50~ 107.00±50円 |
BTC/JPY |
強気 |
上昇基調 |
340万円台±10万円 |
340~690万円台 |
GOLD |
中立 |
BOX基調 |
コアBOX 1800~1900±50 |
1700~2000 |
原油 |
強気 |
上昇基調 |
43±5 |
43.00~67.00 |
※カウンターライン=投資目線を切り替える水準、損切ラインの参考値
※コアBOX=節目としての価格帯
※2021年2月15日時点
全体的な投資構図が不安定な展開、基本姿勢は強気ながら、TLT、ドルインデックス、原油などの動向にも注目しながら、目線を固定しすぎないよう注意が必要です。
市場分析の判断指針
ファンダメンタルとアルゴリズム(自動売買)の分析を比較して、現状1対9でアルゴリズムを優先して判断します。マーケットに聞きながら、数理分析を中心とします。市場心理は、投資意欲が過熱してゆく予想です。ポジションサイズは打診レベル1/10~1/5サイズを目安。上目線は6、下目線は4の割合でポートフォリオ構築です。
注目の経済指標
当面、中国や米国の景気回復度合いを見比べます。1月の製造業PMIは中国が51.3で米国は59.1と、共に景気拡大の50を上回る結果からインフレ高に期待ながら、消費者物価指数(CPI)は中国が-0.3%低下、米国も1.4%と先月同様となり、小幅に上昇結果に(人民元やドル売り材料にも)。両国ともインフレリスクは低下傾向です。
その他指標からは、中国、米国が先行回復の兆しが強まり、次なる国はワクチン接種率と経済指標の回復を見比べながらの景気判断になるでしょう。マーケットが金融流動性相場から、業績相場に移行するときと考えられ、経済指標の重要度が高まりだします。
■トレード・アドバイス
経済指標は、GDPと消費者物価指数、製造業指数が判断材料の軸です。各国特徴があり、時期ごとに重要度合いは異なります。今は、製造業ですが、そろそろ、消費物価の注目度が高まる印象です。経済もブームがあり、タピオカの次はこの商品が来る、といったことと同じです(次は免疫を高める、ハチミツ?)。
主要な中央銀行の予想 2021年3月のFOMC予想
「CME FedWatch Tool」のドットチャートから、2021年3月のFOMCは現状維持が予想されます。イエレン財務長官によるドル政策への姿勢にも注目です。
FOMC開催を前に、さまざまな憶測、報道が飛び交うでしょう。機関投資家のポジショントークで相場が無理に動かされます。投資の際はメインシナリオを固め、カウターシナリオも頭に入れておくことが大切です。
2023年まで実質ゼロ金利が予想され、2年間は株高、ドル安シナリオが継続する可能性もあります。FRBの姿勢を見極め、相場局面の激変に用心しましょう。
仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析
仮想通貨市場は成熟期に突入、CMC Crypto 200 Indexを見ると、ビットコインは短中期で急騰、アルトコインも上昇しています。現状の仮想通貨市場はビットコインの熱波がアルトコインへと波及した状態です。
仮想通貨ヒートマップ(下記リンク参照)を見ると、軒並み調整展開。CME仮想通貨の各オプション出来高は先月から、取引量は増加傾向にあるため、価格と出来高のアンバラスが是正されながら下値固めすると思われます。狂乱的な急騰に調整も欲しい展開でもあり、持続的に上昇するかはドルインデックスから判断します。
NEWS PICK OUT
■(1月20日)ブラックロック 投資信託に仮想通貨への投資も組み込む
ブラックロックが自社の2つのファンドに対し、ビットコイン先物への投資を可能にしました。今後、ブラックロックからの仮想通貨市場への資金流入もありえます。機関投資家向けの仮想通貨関連のデータも揃い始めており、年金など伝統的な機関投資家が、長期的な投資として仮想通貨に参入することがあれば、仮想通貨市場はさらに拡大するでしょう。
■(2月8日)テスラ ビットコイン15億ドル購入
テスラがビットコインを15億ドル分も購入していたことを発表。これによりビットコイン価格は急騰、他企業の中でもビットコインで資産を保有する会社が現れるかもしれません。ツイッター社もビットコイン購入検討の報道が出ています。今後の企業価値、財務分析の判断において、現金以外の資産割り当てを見ることも重要となります。
ただし、ツイッターでイーロン・マスクがビットコインに関する発信をする度に相場が上下動する点には注意が必要。また政府から何らかの規制が入る可能性もあります。
■(2月8日)CME イーサリアム先物取引を運用開始
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)で、イーサリアムの先物取引がスタートしました。これによりイーサリアム市場の拡大、イーサリムを利用したDeFi(非中央主権金融)での運用拡大に期待です。
機関投資家などのプロ向けに運用データが今後充実してくれば、彼らも市場参入を積極的にしてくるでしょう。次はどのアルトコインが先物で取引開始されるか、注目です。
■(2月11日)米国金融大手BNYメロン 仮想通貨カストディー開始
老舗金融会社が、仮想通貨のカストディーを開始します。年金ファンドやお堅い資産運用家たちも参入しやすくなるでしょう。仮想通貨の投資環境は急速に整いつつあります。
老舗の金融企業と仮想通貨系のテクノロジー企業で提携が進めば、既存の金融業務(融資や担保など)もデジタル化が飛躍的に進む可能性があります。次なる投資案件が生まれる予感です。
ビットコイン円
ビットコイン円は、回帰分析では強気範囲(350~500万円台)で価格推移。中長期で上昇基調を予想しており、500万円台に急騰しながら歴史高値更新、強気姿勢が続くと予想されます。
テクニカル分析では、移動平均MA21を価格が上回り、短中期のMAはゴールデンクロスで、買いシグナルが点灯。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンはMAと雲を超えて買いシグナルが点灯。短中長期ともに上昇シグナルが現れています。
回帰分析から、強気範囲を超え過熱気味から、下落調整の展開になれば、戻し目途に、回帰直線410万円台、強気範囲350~380万円台への調整は買い目、押し目の水準として考えられます。サイクル&リズム分析では 3月4日~10日まで調整であれば健全ですが、過熱感を否めません。ローソク足は陽線約2本、陰線は2~3本のリズムを繰り返し、上昇と調整を繰り返す展開です。フォーメーション分析では上昇フラッグ形成となり、仮想通貨市場全体を牽引しています。
一方、オシレーター系のクラシックRSI(相対力指数)は80付近推移、スローストキャスティクスは80付近で推移しており、価格推移とオシレーター系から過熱調整を求めている地合い、または、継続的上昇のシグナルの判断となります。やや慎重になりながらも、トレンド系の判断が優勢となり、上目線で、買い目、押し目を探るシグナルになっています。
注目度・先行性を測る出来高が回復傾向から下値固めです。価格帯別出来高から下値400~430万円台までの調整をサポートする支持帯を形成しています。2020年12月安値、2021年安値を結ぶ短期の上昇トレンドラインをサポートとして、今後は調整下落の価格目途、また下値抵抗帯として機能します。
これらのテクニカル分析から、今後の展開予想をまとめると、メインシナリオは強気の上昇基調です。直近400~500万円台の足場固めて、戻り目途に、410~430万円台が買い目、押し目、フィボナッチ分析などから542万円台 600万円台 695万円台に向かって、上昇する可能性もあります。
強気なビットコイン相場ではカウンターシナリオにも警戒が必要です。トレンドライン300~350円万円台を割り込む、さらに強気範囲210~300万円台を割り込み下落が加速するなら、130~200万円台まで見える弱気シナリオも考えられます。
グローバルマーケットは株価堅調ながらも、ドル動向に左右されています。ドルインデックス(DXY)が91~92に反発が一服、ビットコインは中期的に調整シグナルが止まりだし、ドルインデックス88~89ドルへ下落再開となれば、ビットコイン円は継続的な上昇シナリオを想定しています。
簡単にはドル高・ビットコイン安もしくはドル安・ビットコイン高の市場構図を意識するといいでしょう。
イーサリアム円
イーサリアム円は回帰分析では強気範囲(11~20万円)の付近で価格推移しながら、短中期はビットコインの急騰から、アルトコインが上昇波及の展開となり、強気姿勢で上昇継続が予想されます。
テクニカル分析では、移動平均MA21など短中期のMAはゴールデンクロスで買いシグナル。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンはMA21と雲を上抜け、強気の買いシグナルが現れています。
ローソク足は週足に目を向けると陽線5本、陰線2本~3本のリズムで上昇基調。サイクル&リズム分析からは、継続的な上昇リズムとなり、更なる2倍値や3倍値も意識され、20万円台の到達も想定できます。相場過熱への調整もシナリオとして、戻しの目安に回帰直線15万円台、フィボナッチ分析から12万円台までは買い目、押し目の目安です。フォーメーション分析では上昇フラッグを形成し、継続的な強気買いシグナルになります。
短期トレンドラインは、2020年12月安値から2021年1月安値を結んだ短期上昇トレンドラインは、2020年2月高値と8月高値を結ぶ短期トレンドラインを超えたため、今後サポートラインに変化します。
一方、オシレーター系のクラシックRSIは70付近で推移、スローストキャスティクスは90付近で推移しており、調整気配のシグナル、または、トレンド系は強気のため、上昇継続シグナルとなり、押し目、買い目シグナルが有効です。さらなる強い上昇基調が予想されるでしょう。
注目度・先行性を測る出来高は、やや回復となり。価格帯別出来高から 13~14万円台が調整目途、サポートする価格支持帯です。基本は上昇継続シグナルが続いています。
これらのテクニカル分析から、今後の展開予想をまとめると、メインシナリオは上昇継続で、16万円~20万円±100円で足場を固め、戻り目途に、12~15万円台までは買い目、押し目です。フィボナッチ分析などから、21万円±100円、24万円±100円、30万円±100円へと向かう想定です。
カウンターシナリオはフィボナッチ分析から12万円を割りこみ下値ブレイクとなれば、さらに82000~94000±100円を割り込む可能性、価格帯別出来高から70000~60000±100円が下値目途となる「弱気シナリオ」です。
イーサリアムは持続的な上昇局面に入り、イーサリアム先物のサービス開始など長期的な投資対象として評価され始めている印象です。ビットコインの急騰に牽引されているため、ビットコイン調整時にはイーサリアムにも影響を与える可能性があります。仮想通貨の物色が強まり、戻し目途など重要度が高まりを見せています。強気の中に悲観シナリオを忘れずにしましょう。
リップル円
リップル円は回帰分析の強気範囲(42~72円)の付近で価格推移。短中期はトレンド上昇局面が再開、直近1か月で、急騰・急落から回復、上目線への価格推移となっています。
テクニカル分析では、価格は移動平均MA21を上回りながら、短中期のMAは拡大上昇展開のシグナルが現れています。短期と長期MAもゴールデンクロスも散見で上昇シグナル。また、一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンは雲を上回り、強気の買いシグナル。
ローソク足は陰線、陽線、3~5本ながら、判定不明です。乱雑な推移をイメージです。サイクル&リズム分析ではリズムが不安定で調整気配です。戻り目途に、フィボナッチ分析より、37±1円、40±1円、41±1円、44±1円までは買い目、押し目です。2020年3月安値と11月安値を結んだ短期上昇トレンドラインは「下値ブレイクから反発」までの調整目安として機能しました。相場の新局面からフォーメーション分析の判断は保留です。
一方オシレーター系のクラシックRSIは77付近で推移、スローストキャスティクスは50付近で推移していることから、オシレーター系から反発、押し目のシグナルが現れています。トレンド継続シグナルとして判断です。
注目度・先行性を測る出来高は、増加で意欲的です。価格帯別出来高から66~70円が目安となり、更なる上値展開には材料探しとなります。
これらのテクニカル分析から、今後の展開予想をまとめると、メインシナリオは60~70円台で価格推移しながら足場を固め、戻り目途はフィボナッチ分析より、37±1~41±1円は買い目、押し目です。フィボナッチ分析などから73±1円、80±1円、100±1円、103±1円へ向かう想定です。
カウンターシナリオは、37±1円を割り込む展開になれば、上目線が失効となり、20円台、30円台が下落目途になり、さらに15~18円台を割るという悲観シナリオです。
ビットコイン上昇過熱に牽引された上昇相場から、一時は米国での訴訟懸念から崩落しながらも、リップルが再上昇しています。
基本は買い目姿勢で、テクニカル分析を優先に、ファンダメンタルの情報を排して、目線を見定める姿勢を保ちましょう。相場は相場に聞く――経験値を放り投げ、素直に価格を追い、新鮮な気持ちで立ち向かう姿勢が重要となるでしょう。