【目次】
- オリジナル定量分析
- 変化日
- マーケット構図
- 主要市場 回帰分析
- 市場分析の判断指針
- 注目 経済指標
- 仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析
- NEWS PICK OUT
- ビットコイン円
- イーサリアム円
- リップル円
オリジナル定量分析
変化日
変化日からマーケットの値動きを想定します。
- ■為替相場:5月10日、18日
- ■商品市場::6月11日、14日
- ■仮想通貨市場:3月30日、4月2日、13日、27日
- ■株式市場:3月26日、4月6日、5月31日
- ■債券市場:3月29日、4月12日、5月24日
寸評:前回記事では変化日の点灯が3月13日近辺に集中したため、トレードは様子見しながら、全面的に市場分析をリセットしました。15日以降から市場構図が定まりだし、株価推移も定まりだした気配です。今後の分析は変化日が全体にバラバラに点灯しており、5月上旬までは一連の流れを想定しています。
※3月22日時点、変化日とはオリジナルの定量分析で「マーケットシナリオを再考して、戦略を考え直す日」
マーケット構図
マーケット構図は目先、株高、ドル高気配から、他市場の構図は定まってきています。
仮想通貨市場はビットコイン高で続伸継続。債券市場もTLT(債券価格)は下落展開が継続。ドルとの相関が薄れ、市場不安を象徴しています。商品市場はゴールド調整から反発気配、原油は高値続伸。
各市場の構図変化から、業績相場への移行局面と考えられます。2021年上半期の市場全体の構図は、ドルインデックスを指針に判断です。
- ■リスクオフ要素:ジャンク債(HYG)、CDS、TEDの監視、特にTLTの流動性
- ■リスクオン要素:各国の緩和、景気刺激策
■トレード・アドバイス
マーケット構図を把握することで、「投資シナリオを維持するか、再考するか」の判断ができます。例えば、基本構図が株高・ドル安で、次の日が株高・ドル高になれば、投資は様子見し、市場変化を見極める、という行動に移れます。
主要市場 回帰分析
|
スタンス |
トレード目線 |
カウンターライン (orコアBOX) |
価格推移予想BOX |
TLT |
弱気 |
下落基調 |
143±50 |
128.00~140.00 |
ダウ |
強気 |
上昇基調 |
30000±100 |
27000~35500 |
S&P500 |
強気 |
上昇基調 |
3500±100 |
3600~4300 |
日経平均 |
強気 |
上昇基調 |
28000±50円 |
27500~32000円 |
DAX |
強気 |
上昇基調 |
13500±50 |
13500~15600 |
EUR/USD |
中立 |
下落基調 |
1.2000±50 |
1.1800±50~ 1.2000±50 |
USD/JPY |
強気 |
上昇基調 |
105.50±50円 |
106.50±50~ 110.50±50円 |
BTC/JPY |
強気 |
上昇基調 |
530万円台±10万円 |
530~722万円台 |
GOLD |
弱気・買い目 |
下落基調 |
1777±50 |
1700~1840 |
原油 |
強気 |
上昇基調 |
53±5 |
53.00~68.00 |
※カウンターライン=投資目線を切り替える水準、損切ラインの参考値
※コアBOX=節目としての価格帯
※2021年3月22日時点
全体的に回帰分析をリセット、価格推移などを狭く予測しています。今後の目線がユーロドル、ゴールドのトレンド発生から目線判断が可能となり、明瞭な空模様を予想しています。
市場分析の判断指針
ファンダメンタルとアルゴリズム(自動売買)の分析を比較して、現状4対6でアルゴリズムをやや優先して判断します。ファンダメンタルの材料が落ち着き、市場心理の過熱から冷静な様子。目線が定まりだしています。ポジションサイズは打診レベル1/10~1/5サイズを目安。上目線は8、下目線は2の割合でポートフォリオ構築です。
注目の経済指標
当面、中国や米国の景気回復度合いを見比べます。2月の製造業PMIは中国が50.6で米国は58.5と、共に景気拡大の50を上回る結果からインフレ高に期待しながら、消費者物価指数(CPI)は中国が-0.2%低下しながらも、米国は1.7%と小幅に上昇(人民元やドル売り材料にも)。両国ともインフレリスクは低下傾向です。
その他指標からは、中国、米国が先行回復の兆しが強まり、次なる国はワクチン接種率と経済指標の回復を見比べながらの景気判断になるでしょう。マーケットが金融流動性相場から、業績相場に移行するときと考えられ、経済指標の重要度が高まりだします。
■トレード・アドバイス
経済指標は、GDPと消費者物価指数、製造業指数が判断材料の軸です。各国特徴があり、時期ごとに重要度合いは異なります。今は、製造業ですが、そろそろ、消費物価の注目度が高まる印象です。経済もブームがあり、タピオカの次はこの商品が来る、といったことと同じです(次は免疫を高める、ハチミツ?)。
主要な中央銀行の予想 2021年3月のFOMC予想
「CME FedWatch Tool」のドットチャートから、2021年3月のFOMCは現状維持となりながら、利上げメンバーが増え、ドットチャートが変わったことが注目です。6月も姿勢は継続見通しです。
2023年まで実質ゼロ金利維持が継続され、2年間は株高、ドル安シナリオが継続です。一方、利上げ予想メンバーの増加から、ドットチャートも変化しました。ハト派の姿勢を確認から、直近の利上げ観測は薄まりながら、株価は先行して織り込まれてゆきます。
長期のマーケット要因です。メインシナリオを固め、カウターシナリオも頭に入れておくことが大切です。
仮想通貨銘柄の回帰分析とテクニカル分析
仮想通貨市場は成熟期に突入、CMC Crypto 200 Indexを見ると、ビットコインは歴史的高値を更新、短中期で急騰、アルトコインも上昇しています。現状の仮想通貨市場はビットコインの熱波がアルトコインへと波及した状態です。
仮想通貨ヒートマップ(下記リンク参照)を見ると、上昇展開が継続。CME仮想通貨の各オプション出来高は先月から、取引量は増加傾向から健全な上昇展開です。ビットコインは歴史的高値更新から、やや乏しい展開となり、持続的に上昇するかはドルインデックスから判断します。市場全体が新しい選好先を探る値動きです。
NEWS PICK OUT
■(2月20日)日本銀行 デジタル通貨の実証実験を開始
日本銀行は民間企業ともに流通機能などを1年程度かけて実験すると発表。現時点では「発行計画はない」としながらも、将来の決済システム、国際的な運用環境へ備える形です。すでに、中国がデジタル人民元の実証実験で先行していますが、日本は日本でデジタル通貨との向き合い方を考え始め、既存市場や仮想通貨市場などとの影響などを見ていくと思われます。
■(3月18日)コインチェックがノンファンジブルトークンのサービスを開始
マネックスグループ傘下のコインチェックが、NFT(ノンファンジブルトークン)を取引するマーケットプレイスを提供すると発表。
NFTとはデジタル上で固有の価値を証明できるアイテムで、ブロックチェーン技術を応用することで実現。デジタル資産、デジタルアート、デジタルアイテムなど、アートやゲーム市場にも活用が進むと考えられています。
先駆けのサービスであり大注目です。アート界でもプログラム技術が必要になるなど、新しい世界が誕生する爆発を感じました。
ビットコイン円
ビットコイン円は、回帰分析では強気範囲(530~600万円台)で価格推移。中長期で上昇基調を予想しており、600万円台に到達し歴史高値更新、直近は頭が重い展開ながら、強気姿勢が続くと予想されます。
テクニカル分析では、移動平均MA21を価格が上回り、短中期のMAはゴールデンクロスで、買いシグナルが点灯。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンはMAと雲を超えて買いシグナルが点灯。短中長期ともに上昇シグナルが現れています。
回帰分析から、強気範囲での調整を終えて再上昇の展開が予想されます。戻し目途に、フィボナッチ分析から600万円台、560万台、520万円台への調整は買い目、押し目の水準として考えられます。サイクル&リズム分析では3月30日まで調整予想です。ローソク足は陽線約7本、陰線は約8本のリズムを繰り返し、上昇から下落調整の展開想定です。フォーメーション分析では上昇フラッグ形成から上昇継続となり、仮想通貨市場全体を牽引しています。
一方、オシレーター系のクラシックRSI(相対力指数)は60付近推移、売りシグナルの逆行シグナル、スローストキャスティクスは80付近で推移しており、価格推移とオシレーター系の調整シグナルが強まっています。または、継続的上昇のシグナルの判断となります。やや慎重に判断しながらも、トレンド系の判断が優勢となり、上目線で、買い目、押し目を探るシグナルになっています。
注目度・先行性を測る出来高が回復傾向から下値固めです。価格帯別出来高から下値570~600万円台までの調整をサポートする支持帯を形成しています。2020年12月安値、2021年安値を結ぶ短期の上昇トレンドラインをサポートとして、今後は調整下落の価格目途、また下値抵抗帯として機能します。
これらのテクニカル分析から、今後の展開予想をまとめると、メインシナリオは強気の上昇基調です。直近500~600万円台の足場を固め、戻り目途520~600万円台が買い目、押し目。フィボナッチ分析などから680万円台、700万円台、750万円台に向かって、上昇する可能性もあります。
強気なビットコイン相場ではカウンターシナリオにも警戒が必要です。トレンドライン530万円台を割り込む、さらに440万円台を割り込み下落が加速するなら、600万台の半値戻し300万円台まで見える弱気シナリオも考えられます。
グローバルマーケットは株価堅調に牽引されながら、ドル相関も薄まり、状況が変化しています。ドルインデックス(DXY)が91~92.50でBOX推移、ビットコインは中期的にドルと乖離しながら、継続的な上昇シナリオを想定しています。
ドル、ビットコインの2つの関係が崩れ、荒れ模様の相場が予想される中、ドル高、ビットコイン高の新しい市場構図に移行し、ビットコインが独立独歩してゆくのを意識します。
イーサリアム円
イーサリアム円は回帰分析では強気範囲(16~23万円)の付近で価格推移しながら、短中期ではビットコインの上昇⇒アルトコイン上昇波及の展開を受け、強気姿勢の上昇継続が予想されます。
テクニカル分析では、移動平均MA21など短中期のMAはゴールデンクロスで買いシグナル。一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンはMA21と雲を上抜け、強気の買いシグナルが現れています。
ローソク足は週足に目を向けると陽線3~5本、陰線1本とリズムが変化しており、調整から上昇基調へ。サイクル&リズム分析からは、3月23~4月26日までリズム変化の兆しですが、上昇リズムは継続すると思われ、2倍値や3倍値が意識され、20万円台で定着することも想定できます。
相場過熱への調整シナリオとして、フィボナッチ分析から17万円台、回帰分析から16万円台までは買い目、押し目の目安です。フォーメーション分析では上昇フラッグを形成し、継続的な強気買いシグナルになります。
2020年12月安値から2021年1月安値を結んだ短期上昇トレンドラインは、2020年2月高値と8月高値を結ぶ短期トレンドラインを超えたため、今後サポートラインに変化します。
一方、オシレーター系のクラシックRSIは50台付近で推移、価格推移と比較して、売りシグナルの逆行現象、スローストキャスティクスは70付近で推移しており、調整気配のシグナルです。トレンド系は強気が優先され、上昇継続シグナルの判断ができます。基本的に押し目、買い目シグナルが有効です。上昇基調が継続されるでしょう。
注目度・先行性を測る出来高は、やや回復。価格帯別出来高から 16~18万円台が価格支持帯です。基本は上昇継続シグナルが続いています。
これらのテクニカル分析から、今後の展開予想をまとめると、メインシナリオは上昇継続で、16万円~18万円±100円で足場を固め、14~15万円台までは買い目、押し目で考えられます。フィボナッチ分析などから、21万円±100円、24万円±100円、30万円±100円へと向かう想定です。
カウンターシナリオはフィボナッチ分析から15万円を割りこみ下値ブレイクとなれば、さらに12~13万円まで割り込む可能性、価格帯別出来高からも10~11万台への下値目途となる「弱気シナリオ」です。
イーサリアムは持続的な上昇局面の中に、弱気シナリオも意識しながら「調整での値動き」を忘れないようにしましょう。押し目、戻し目途などを考えることも重要です。強気の中に悲観シナリオを忘れずに。
リップル円
リップル円は回帰分析の弱気範囲(42~57円)の付近で価格推移。短中期はトレンド上昇局面から急落、急騰で傷つき、調整から上目線への価格推移となっています。
テクニカル分析では、価格は移動平均MA21など収束しながらBOX傾向です。短期と長期MAも横ばいで方向模索のシグナル。また、一目均衡表(イギリス&アメリカのスタイルで分析)の遅行スパンも横ばい、短中期MAに触れながら、調整シグナル。
ローソク足は陰線、陽線、3~5本ながら、判定不明です。乱雑な推移をイメージです。サイクル&リズム分析ではリズムが不安定で調整気配です。フィボナッチ分析から、40±1円、41±1円、44±1円までは買い目、押し目と考えられます。2020年3月安値と11月安値を結んだ短期上昇トレンドラインは「下値ブレイクから反発」までの調整目安として機能しました。相場の新局面からフォーメーション分析の判断は保留です。
一方オシレーター系のクラシックRSIは50付近で推移、スローストキャスティクスは50付近で推移していることから、オシレーター系から調整、反発、押し目のシグナルが現れています。トレンド継続シグナルとして判断です。
注目度・先行性を測る出来高は、やや低下傾向となり、調整シグナル。価格帯別出来高から44~63円がサポート目安となり、足場を固める展開でしょう。
これらのテクニカル分析から、今後の展開予想をまとめると、メインシナリオはコアBOX43~56円台で価格推移しながら足場を固め、フィボナッチ分析より、41±1円~38±1円は買い目、押し目と考えれます。56±1円、63±1円、68±1円、103±1円へ向かう想定です。
カウンターシナリオは、37±1円を割り込む展開になれば、上目線が失効となり、30円台、20円台が下落の目途で、さらには15~18円台を割るということも考えられる悲観シナリオです。
ビットコイン上昇過熱に牽引された上昇相場から、一時は米国での訴訟懸念から崩落しながらも、再上昇を見せましたが、現状は調整BOXの展開です。
基本は買い目姿勢で、テクニカル分析を優先に、新しい材料を待つ状況です。米国での訴訟が終わるまで、上値は重い展開でしょう。市場全体、ドル、ビットコインの上値追いがやや失速気味なため、慎重姿勢が望ましいと思います。