【目次】
- グローバルマーケットの考察
- マーケットメモ
- NEWS PICK OUT
- 狐のミニミニコラム
- グローバルマーケットのシナリオ分析
- 直近1か月の投資スタンス
- ヘッジファンドの投資指針
- メインシナリオ
- カウンターシナリオ
- サブカウンターシナリオ
グローバルマーケットの考察
【主要銘柄の変動幅(3月)】
- ■ダウ:+3.29%
- ■日経:-0.42%
- ■S&P500:+5.08%
- ■DAX:+5.49%
- ■ドル円:-0.38%
- ■ユーロドル:+0.29%
- ■ビットコイン円:+13.49%
- ■ゴールド:+1.87%
- ■原油:-3.05%
- ■TLT(債券):+0.95%
株は堅調で、TLT(債券価格)は下落基調から反発。ドル安展開から市場選好はビットコインとゴールドとなり、原油は失速。市場は不安を織り込みだしています。
Fear&Greed Indexは51台に推移となり、中立地合いです。VIX(恐怖指数)は16%台で推移。2つの指数から、短期的な市場観測としてリスクオン5、リスクオフ5の割合での投資方針で問題ないでしょう。
マーケットメモ
【マーケットメモ(短中期)】
- ■2019年9月、2020年3月、5月、11月のマーケット変化に注目 ☆
- ■米国の景気刺激策への期待 ↑
- ■コロナ終息、経済正常化の織り込み ↓
- ■OPECプラス5月も減産幅を維持 ↑
- ■サウジアラビア 原油減産 ↑
【マーケットメモ(長期)】
- ■コロナ後の世界経済、ワクチンの報道 ↓↑
- ■FEDバランスシート縮小、米国債の流動性低下 ☆
- ■世界的な景気対策期待、金融相場から業績相場 ↑↓
- ■ドル不足、新興国リスク ↓
- ■中国が先行景気回復、他国の回復予想困難 ↓
- ■米中関係 ↑↓
- ■コモディティ・インデックスに注目 ↑
- ■中央銀行デジタル通貨(CDBC)の検証 ↑
- ■長期ポートフォリオ検討、4年間のプレジデントサイクル
バイデン政権の経済政策がマーケットに織り込まれ、株式市場と債券市場は混迷しながらも、株価は堅調推移、TLTは反発気配。ドルインデックスは反落と、ドルの方向性は見極めるのにまだ時間が必要です。
マーケットは現状の材料を全体的に織り込んでいると思われ、新規材料を求める地合いが予想されます。新たな材料には過敏に反応する可能性があり、そうした値動きに警戒しています。
4~5月はシーズナルチャートから、トレンド継続性と調整幅を試す季節傾向があるので、株価やドル、TLTの動向から今後の目線を判断する参考にはなるでしょう。今後の中長期トレンドを予測する上では株式市場を中心とした市場構図、方向性の確認も大切です。
■トレード・アドバイス
マーケットメモを見ながら、このニュースが来れば、上昇するだろう、下落するだろうという目星をつけ、そのときどのような投資を行うか、リストアップすることをおススメします。
Composite leading indicator(OECD景気先行指数)は100に到達、先進国は100台に乗せるなど景気回復基調が現れ始め、半年以降の経済見通しは明るいことを示唆しています。MSCI ACWI Index(世界株価指数)も695台に乗せ、歴史的高値を更新中。S&Pグローバル総合指数(米ドル建て)は、月初来リターンは+4.08%とプラス展開です。
マーケットメモの総括としては、世界経済は回復傾向の展開を強め、バブルの声が含まれながらも、当面は回復・成長の見通しです。そのため、投資戦略は上目線が基本指針です。長期投資サイクルによる市場構図を見定め、3つの指数から長期的な市場観測にリスクオン9、リスクオフ1という局面を想定し、各市場・銘柄への投資姿勢を構築していきます。
■トレード・アドバイス
全体を俯瞰する視野と共に、細かいデータも見る習慣作りが大切です。これは天空の狐スタイルなので、自分に合うスタイルを模索してみてください。頭の整理と共に、上昇・下落・様子見といった投資行動の目線を定めることが肝になります。
NEWS PICK OUT
■(3月24日)アルケゴス破綻、金融企業に損害
投資会社アルケゴスの破綻に伴い、複数の金融企業に損害を与えています。ファミリーオフィスであるため投資情報の開示義務がなく、またCFDによるレバレッジトレードも問題視されており、今後は規制の動きが強まると思われます。
非難の矛先が、シャドー・バンキング・システム、銀行の与信管理などを省いたビジネスモデルへ向かうことを懸念しています。本来は金融危機を乗り越えるために構築されたサービスであり、規制などによって投資熱が冷めることは避けてほしいです。
金融株は短期的には下落しましたが、反発するという期待はあります。アルケゴスの問題はサブプライムショックのような金融危機を起こすほどの規模でないでしょう。
■トレード・アドバイス
報道を見たら、投資行動のシナリオを描きましょう。分析⇒投資の手順を踏むことが重要です。目先の相場に惑わされず、心身を整えて、データと共に相場へ向き合います。日々の報道から、上昇要因、下落要因、様子見と3つの投資指針をしっかり持つことで、瞬発的に動くとき・休むときのメリハリが生まれます。
狐のミニミニコラム
今月は起点探しです。マーケットの方向性を見ながら、調整幅に警戒です。FOMCの週などは警戒しましょう。地合いを分析する際に、押し目や戻り売りのポイントは役立ちます。目安のポイントに価格が来たら、市場展開のシナリオが変わることもあるので、気になる銘柄の価格動向を細かくノートに残しておくとあとから振り返りやすいです。
投資は、未来を考え、目途をつけてシナリオを用意しながら、現状と変わった点・変わらない点を探り、再考するという繰り返しです。
グローバルマーケットのシナリオ分析
直近1か月の投資スタンス
【選別】 リスクオン・オフの銘柄の選定
投資スタンスは「選別」の姿勢です。投資指針の軸は株高です。ドルの方向は完全に判断できないものの、目先はドル安再開の見通しです。その他市場のスタンスは明瞭なので、リスクオン・オフの銘柄を分けながら、投資に最適な銘柄を選別します。
ヘッジファンドの投資指針
【ヘッジファンドの投資指針】
- ■ヘッジファンドは2021年ドル安見通し
- ■ハイテク株、仮想通貨関連に注目
- ■米株ファンドに資金増加
- ■円安ポジションの資金増加
ヘッジファンド、インディケーターの順でパフォーマンスを見ていくと、今後の投資戦略が見えてきます。ヘッジファンドに優位な相場展開となり、リスクオン・オフの銘柄選別が強まる見通しです。円安ポジション増加は日本の緩和姿勢を好感した地合いと考えられ、ドル円の上昇は継続する見通しです。ヘッジファンドのパフォーマンスから、2021年はドルトレンド、ハイテク株、仮想通貨関連の動向に注視します。
Eurekahedge Hedge Fund Indexの3月の評価が+0.95%、自動売買のEurekahedge AI Hedge Fund Indexが+0.04%、仮想通貨はEurekahedge Crypto-Currency Hedge Fund Indexは+19.19%と、全体的にパフォーマンスは上昇傾向。AIファンドは低迷し、仮想通貨ファンドは成長が鈍化しています。仮想通貨は機関投資家の買い増加も見られ、底堅い地合いが予想されます。
SG TREND INDICATORから過去1か月間の市場評価は-0.15%と鈍化傾向、自動売買のSG CTA Indexは+0.86%、株価は+1.40%、FXは-0.03%、債券が-0.60%商品は-0.04%で、全体のポートフォリオは-0.06%です。全体的に鈍化傾向ながら、方向性が定まり、底堅く推移してゆき安定期に入る予想です。
■トレード・アドバイス1
ヘッジファンドのデータベースから、彼らの姿勢や目線、有効戦略が見えたら、同じようにするのか、それとも裏をかくかなど、現在のマーケットに有用な投資戦略が見えてきます。そして、どの市場のボラティリティが強くなるか、弱くなるかを見極めることにも繋がります。
プロが攻める市場、逃げる市場が分かれば、どこを主戦上とし、どんな戦略で挑むかを探る手助けになり、自ずと戦いやすい市場を見つけることに繋がります。
■トレード・アドバイス2
国際通貨先物市場(IMM)データをもとに、FXに役立つ情報を得ることも可能です。2021年3月19日週時点のデータとIG Client Sentimentも参考に、ドル円とユーロドルを見ていきましょう。
・ドル円:買いポジション減少、売りポジション増加⇒売り、利益確定、下目線へ
【買いポジション47%/売りポジション53%:やや売り優勢】
・ユーロドル:買いポジション増加、売りポジション調整⇒利益確定の気配、ユーロ高、上目線
【買いポジション34%/売りポジション66%:売り優勢】
ヘッジファンドや機関投資家、投機筋の買い・売りにおける保有ポジションの状況から為替相場の動向を予想をします。IMMデータは「前週における分析結果」なので、現在のチャート動向との比較が大切です。
データの傾向から(1)から(4)の投資行動が考えられます。また、これらは中長期ポジションの目線であり、「自身の短期目線と同じかどうか」など投資姿勢の確認にも有効です。
(1)買いポジション過熱:下落の可能性⇒様子見・調整・転換を見極め、売り目検討もしくはシナリオの再考
(2)買いポジション継続:トレンド継続⇒打診・追撃・利益確定を検討でき、好機継続
(3)売りポジション過熱:上昇の可能性⇒様子見・調整・転換を見極め、買い目検討もしくはシナリオの再考
(4)売りポジション継続:トレンド継続⇒打診・追撃・利益確定を検討でき、好機継続
※(1)と(3)は「シナリオの再考」、(2)と(4)は「好機継続」と考えられます。
メインシナリオ
【市場全体の構図変化】
株式市場を中心に、円、ゴールド、原油、仮想通貨の投資色が強まると思われます。株価とTLTの関係性も変化しながら、市場全体の構図が定まるシナリオです。
指針のドルインデックスは91~92.50のBOX展開で推移していましたが、直近はドル安で、方向を探っています。二番底形成で反発ドル高となるか、再びドル安展開となるかの判断は現状難しいです。
市場の選好がドルから他市場へ移行する局面をイメージしています。
市場の指針を見る上ではドルの方向性が重要であり、現時点はドルインデックスが91.50~92程度で推移、長期的にはドル安の調整反発として見ています。ドルインデックスが93~95のドル高に回帰するなら様子見、シナリオ再考です。反対にドルインデックスが90.10~89台に向かうドル安ならば、長期的な投資環境が明瞭となり、目線を判断できます。
市場展開は4月を起点に動き出し、5月に向けて調整を意識すると予想しており、2020年9-10月頃のトレンド、ポジション、ポートフォリオの見直しなど、調整にも警戒となります。また、ポジション量は打診的な1/5~1ほどの量でいいでしょう。株式市場を中心に打診しながら、ドルの目線が保留のまま他市場への関心が強くなれば、本格的なポジション量で投資を行う想定です。
カウンターシナリオ
【ワクチン接種、正常化宣言による利確】
各国でコロナワクチンの接種が開始され、経済正常化への見通しが立つことで、株式市場や為替相場などで利益確定の動きが出る可能性もあります。
利益確定後は、上昇反発に向かうと予想しています。また、流動性相場から業績相場へ変化し、上昇銘柄・下落銘柄の判別が必要となります。下落幅や上昇幅は直近の相場データから、ある程度想定する事が大切になると考えています。
ワクチンの接種は数年続く見通しもあり、日常的な病気として定着する可能性もあります。正常化宣言の直後には様々な憶測と共に、市場も荒れる可能性があるので、注意をしましょう。
サブカウンターシナリオ
【バイデン政権 経済政策への弊害】
バイデン政権による経済政策により、インフレリスクを懸念した報道、SNSの書き込みなど、市場が荒れた値動きとなり、株式市場、債券市場、為替市場に混乱を招く懸念シナリオです。短期的なリスクであり、当面の政策実行後による野党からの報道に注意が必要です。調整下落したら、買い目で待機しながら、打診が賢明でしょう。