【目次】
- グローバルマーケットの考察
- マーケットメモ
- NEWS PICK OUT
- 狐のミニミニコラム
- グローバルマーケットのシナリオ分析
- 直近1か月の投資スタンス
- ヘッジファンドの投資指針
- メインシナリオ
- カウンターシナリオ
- サブカウンターシナリオ
グローバルマーケットの考察
【主要銘柄の変動幅(4月)】
- ■ダウ:+0.22%
- ■日経:-3.63%
- ■S&P500:-0.47%
- ■DAX:-0.11%
- ■ドル円:+0.94%
- ■ユーロドル:+1.22%
- ■ビットコイン円:-28.94%
- ■ゴールド:+5.48%
- ■原油:+1.62%
- ■TLT(債券):-2.41%
株は堅調で、TLT(債券価格)は下落基調、ドル安展開、ビットコイン崩落、原油は失速。ゴールドの上昇基調が強まり、市場変化の兆しが表れ始めています。
Fear&Greed Indexは35台の推移で、恐怖に包まれた地合いです。VIX(恐怖指数)は22%台で推移。2つの指数から、短期的な市場観測としてリスクオン2、リスクオフ8の割合での投資方針で問題ないでしょう。
マーケットメモ
【マーケットメモ(短中期)】
- ■2018年11月、2019年9月、2020年3月、5月、11月のマーケット変化に注目 ☆
- ■米国の景気刺激策への期待 ↑
- ■コロナ終息、経済正常化の織り込み ↓
- ■ドル安、他通貨高の可能性に疑問符 ↑↓
- ■TLT安からリスク資産の選好配分に注意 ↓
- ■株価のポジション調整、買い目で待機 ↑
【マーケットメモ(長期)】
- ■コロナ後の世界経済、ワクチンの報道 ↓↑
- ■FEDバランスシート縮小、米国債の流動性低下 ☆
- ■コモディティ・インデックス、エコノミックサプライズ指数に注目 ↑
- ■中央銀行デジタル通貨(CDBC)の検証 ↑
- ■長期ポートフォリオ検討、4年間のプレジデントサイクル
4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、メンバーの一部がテーパリング協議の姿勢を示したことから、年内の市場調整の可能性が浮上。マーケットは短期的に調整するかもしれません。
マーケットは金利、TLTの変化から、通貨高への流れを生み出し、マーケット局面移行時期にあると考えています。5~6月はシーズナルチャートから、トレンド調整や押し目を探る季節傾向があるので、中長期ポジションの目線も忘れないようにしましょう。株式市場を中心とした市場構図、方向性の定まりを見守りたいです。
■トレード・アドバイス
マーケットメモを見ながら、このニュースが来れば、上昇するだろう、下落するだろうという目星をつけ、そのときどのような投資を行うか、リストアップすることをおススメします。
Composite leading indicator(OECD景気先行指数)は先進国が100台に乗せるなど景気回復基調が現れ始め、半年以降の経済見通しは明るいことを示唆しています。MSCI ACWI Index(世界株価指数)はやや調整気配に警戒です。S&Pグローバル総合指数(米ドル建て)は、月初来リターンは-1.13%とマイナス展開となり、調整気配です。
マーケットメモの総括としては、世界経済は回復傾向の織り込み、解消に向けた動きを見せ始める予測です。そのため、投資戦略は上目線が基本指針ですが、ポジション整理を意識しながらの投資戦略です。長期投資サイクルによる市場構図を見定め、3つの指数から長期的な市場観測にリスクオン4、リスクオフ6という局面を想定し、各市場・銘柄への投資姿勢を構築していきます。
■トレード・アドバイス
全体を俯瞰する視野と共に、細かいデータも見る習慣作りが大切です。これは天空の狐スタイルなので、自分に合うスタイルを模索してみてください。頭の整理と共に、上昇・下落・様子見といった投資行動の目線を定めることが肝になります。
NEWS PICK OUT
■(5月17日)東京証券取引所が取引時間延長を検討
東京証券取引所は、夕方や夜間にも取引ができるように別枠で取引時間を設けることを検討。早ければ2024年のシステム刷新にあわせて実施されるかもしれません。
これは国際金融都市への歩みだしです。取引時間が充実し、海外投資家がさらに参加することが期待されます。取引時間延長となれば、欧米時間での値動きなどの相関も気になるところです。世界から日本株への関心が高まればと思います。
■トレード・アドバイス
報道を見たら、投資行動のシナリオを描きましょう。分析⇒投資の手順を踏むことが重要です。目先の相場に惑わされず、心身を整えて、データと共に相場へ向き合います。日々の報道から、上昇要因、下落要因、様子見と3つの投資指針をしっかり持つことで、瞬発的に動くとき・休むときのメリハリが生まれます。
狐のミニミニコラム
今月は好機です。マーケットの方向性が明瞭になり、FOMCの姿勢から年内の投資軸が定まるでしょう。また、各国の中央銀行の姿勢も変化しそうです。2021年の投資日誌の振り返りポイントとして、ここ2~3週間は大切にしたいです。
今は好機の地合いと考え、投資局面の変化をしっかり確認し、自身の投資スタイルを定めてゆく時機となるでしょう。
仮想通貨市場は急落崩壊の展開を迎えています。傷を負うこともあります。買い相場中心の方々は驚いたでしょう。カウンターシナリオが発動し、慌てた1週間でした。基本的に、買い相場、売り相場、BOX相場と3つの相場で生き残って一人前と言われます。たまには休みましょう。そんな相場展開です。
グローバルマーケットのシナリオ分析
直近1か月の投資スタンス
【腰を据える】 銘柄の選定を強めてゆく
目先は「腰を据える」姿勢でマーケットと向き合います。投資指針の軸は「株高の調整」、「ドル安一辺倒からの変化」を意識です。落ち着きだしたら、投資に最適な銘柄を定めてゆく好機の地合いを予想されます。
ヘッジファンドの投資指針
【ヘッジファンドの投資指針】
- ■テクノロジー株でショート増加
- ■米国債の購入増加
ヘッジファンド、インディケーターの順でパフォーマンスを見ていくと、今後の投資戦略が見えてきます。ファンダメンタルの状況から、テクノロジー株など購入を控える地合いとなり、銘柄選定への変化が見られます。マーケットの局面変化を迎える準備が必要になるでしょう。
Eurekahedge Hedge Fund Indexの4月の評価が+2.19%、自動売買のEurekahedge AI Hedge Fund Indexが+3.41%、仮想通貨はEurekahedge Crypto-Currency Hedge Fund Indexは+14.88%と、全体的にパフォーマンスは上昇傾向ながら鈍化の印象です。地合い変化の兆しが見えてきます。市場の組み換え、構図変化に注意が必要なシグナルです。
SG TREND INDICATORから過去1か月間の市場評価は+2.46%と上昇傾向、自動売買のSG CTA Indexは+1.92%、株価は+0.48%、FXは+0.05%、債券が+0.41%商品は0.90%で、全体のポートフォリオは+2.25%です。全体的に回復傾向ながら、組み換えの兆しのため、調整しながら安定期に向かう地合いを予想です。
■トレード・アドバイス1
ヘッジファンドのデータベースから、彼らの姿勢や目線、有効戦略が見えたら、同じようにするのか、それとも裏をかくかなど、現在のマーケットに有用な投資戦略が見えてきます。そして、どの市場のボラティリティが強くなるか、弱くなるかを見極めることにも繋がります。
プロが攻める市場、逃げる市場が分かれば、どこを主戦上とし、どんな戦略で挑むかを探る手助けになり、自ずと戦いやすい市場を見つけることに繋がります。
■トレード・アドバイス2
国際通貨先物市場(IMM)データをもとに、FXに役立つ情報を得ることも可能です。2021年3月19日週時点のデータとIG Client Sentimentも参考に、ドル円とユーロドルを見ていきましょう。
・ドル円:買いポジション減少、売りポジション増加⇒売り、調整、中立から上目線
【買いポジション57%/売りポジション43%:やや売り優勢】
・ユーロドル:買いポジション増加、売りポジション減少⇒ユーロ高、上目線
【買いポジション35%/売りポジション65%:売り優勢】
ヘッジファンドや機関投資家、投機筋の買い・売りにおける保有ポジションの状況から為替相場の動向を予想をします。IMMデータは「前週における分析結果」なので、現在のチャート動向との比較が大切です。
データの傾向から(1)から(4)の投資行動が考えられます。また、これらは中長期ポジションの目線であり、「自身の短期目線と同じかどうか」など投資姿勢の確認にも有効です。
(1)買いポジション過熱:下落の可能性⇒様子見・調整・転換を見極め、売り目検討もしくはシナリオの再考
(2)買いポジション継続:トレンド継続⇒打診・追撃・利益確定を検討でき、好機継続
(3)売りポジション過熱:上昇の可能性⇒様子見・調整・転換を見極め、買い目検討もしくはシナリオの再考
(4)売りポジション継続:トレンド継続⇒打診・追撃・利益確定を検討でき、好機継続
※(1)と(3)は「シナリオの再考」、(2)と(4)は「好機継続」と考えられます。
メインシナリオ
【市場全体の構図が定まり】 好機
投資指針のドルインデックスはドル安方向が定まり、株高、ドル安の市場構図が定まったと見ています。好機としてメインシナリオに準拠します。
FOMC、各国の中央銀行に姿勢変化が現れ、中長期的ファンダメンタル、アルゴリズムの分析判断に乖離が見られてゆくでしょう。景気回復を示唆する経済指標の結果が出ても、素直に上昇展開とならず、銘柄により利確されるなど、単純ではないでしょう。経済指標の結果を株価は先行して織り込みながら展開してゆきます。
これからの市場展開は5月は調整、6月は押し目を意識しようと思います。ポジション量は打診的でもOKですが、本格的な量を意識してもいいでしょう。市場全体の強いトレンドを意識します。
カウンターシナリオ
【テーパリングによる下落幅】
FOMCで債券購入の縮小となれば、株価の大幅な下落を呼び込ます。EUなどでもテーパリングの可能性が高まれば、各市場で利確する値動きに警戒です。
基本的に景気が強ければ継続的な上昇継続となり、弱ければ、一時的な下落と景気刺激策の期待で反発します。金融関係者のコメント、経済指標、企業業績評価に注目が集まります。大きな下落形成も忘れてはなりません。
サブカウンターシナリオ
【ワクチン接種、正常化宣言による利確】
各国でコロナワクチンの接種が進み、経済正常化への見通しが具体的になってきました。経済指標の結果から、株式市場や為替相場などで利益確定の動きが出る可能性もあります。
流動性相場から業績相場へ移行すると、上昇銘柄・下落銘柄の判別が必要となります。市場の組み換え、テレワーク銘柄からアフターコロナの経済活動に向けた、次の銘柄を探ることになります。