【目次】
- グローバルマーケットの考察
- マーケットメモ
- NEWS PICK OUT
- 狐のミニミニコラム
- グローバルマーケットのシナリオ分析
- 直近1か月の投資スタンス
- ヘッジファンドの投資指針
- メインシナリオ
- カウンターシナリオ
- サブカウンターシナリオ
グローバルマーケットの考察
【主要銘柄の変動幅(5月)】
- ■ダウ:-1.47%
- ■日経:+4.29%
- ■S&P500:+1.41%
- ■DAX:+2.15%
- ■ドル円:+1.00%
- ■ユーロドル:-2.00%
- ■ビットコイン円:-11.87%
- ■ゴールド:-4.75%
- ■原油:+6.90%
- ■TLT(債券):+3.10%
株は調整色が強まり、TLT(債券価格)、ドルは反発基調、ビットコインは崩落から調整、原油は上昇堅調、ゴールドは下落基調と、市場変化の兆しが現れ始めています。
Fear&Greed Indexは41台の推移で、恐怖に包まれた地合いです。VIX(恐怖指数)は17%台で推移。2つの指数から、短期的な市場観測としてリスクオン1、リスクオフ9の割合での投資方針で問題ないでしょう。
マーケットメモ
【マーケットメモ(短中期)】
- ■2018年11月、2019年9月、2020年3月、5月、11月のマーケット変化に注目 ☆
- ■米国の景気刺激策への期待 ↑
- ■コロナ終息、経済正常化の織り込み ↓
【マーケットメモ(長期)】
- ■FEDバランスシート縮小検討 ☆
- ■コモディティ・インデックス、エコノミックサプライズ指数に注目 ↑
- ■中央銀行デジタル通貨(CDBC)の検証 ↑
6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、2023年中にゼロ金利政策の解除を示唆、タカ派に移行しながらも、マーケットは織り込んだ反応です。株価も大きな下落とならず、調整範囲に留まり、当面、マーケットは金利の影響から、3か月ほど調整見通しで、目線に柔軟性を持たせた方がいいでしょう。
株価調整、ドル高、ゴールド下落開始と、マーケット局面は移行時期にあると考えています。6~7月はシーズナルチャートから、トレンド調整や押し目を探る季節傾向があるので、中長期ポジションの目線も忘れないようにしましょう。株式市場を中心とした市場構図、方向性の定まりを見守りたいです。
■トレード・アドバイス
マーケットメモを見ながら、このニュースが来れば、上昇するだろう、下落するだろうという目星をつけ、そのときどのような投資を行うか、リストアップすることをおススメします。
Composite leading indicator(OECD景気先行指数)は先進国が100台に乗せるなど景気回復基調が現れ始め、半年以降の経済見通しは明るいことを示唆しています。MSCI ACWI Index(世界株価指数)は堅調推移です。S&Pグローバル総合指数(米ドル建て)は、月初来リターンは+0.94%とプラス展開です。
マーケットメモの総括としては、世界経済は回復傾向の織り込み、解消に向けた動きを見せ始める予測です。中長期の投資戦略は上目線が基本指針ですが、ポジション整理を意識しながらの投資戦略です。長期投資サイクルによる市場構図を見定め、3つの指数から長期的な市場観測にリスクオン4、リスクオフ6という局面を想定し、各市場・銘柄への投資姿勢を構築していきます。
■トレード・アドバイス
全体を俯瞰する視野と共に、細かいデータも見る習慣作りが大切です。これは天空の狐スタイルなので、自分に合うスタイルを模索してみてください。頭の整理と共に、上昇・下落・様子見といった投資行動の目線を定めることが肝になります。
NEWS PICK OUT
■6月15-16日 FOMCの議事要旨
パウエルFRB議長の「インフレは予想以上に上昇持続の可能性がある」という発言に注目です。経済が健全に向かう中、インフレ牽制発言など、株式市場の下落要因に警戒する必要があります。市場の対話が重要になっていきます。
政策変更に伴う市場変化の参考値としてFOMC声明の2013年5月、7月、9月、12月の調整幅を参考にします。2013年5月はバーナンキFRB議長(当時)がテーパリング実施を示唆したことで市場はリスクオフに傾きました。これは下落幅の目安になります。
2014年1月~10月までテーパリングを実施したマーケットの価格推移をメモしています。市場に金融政策の変更が織り込まれたあとの展開が重要です。
FEDの姿勢から「大きなリスクオフ発生は少ない」という見通しですが、ポジション整理・縮小を検討しながら、今後は今まで以上に慎重な姿勢が求められます。
■トレード・アドバイス
報道を見たら、投資行動のシナリオを描きましょう。分析⇒投資の手順を踏むことが重要です。目先の相場に惑わされず、心身を整えて、データと共に相場へ向き合います。日々の報道から、上昇要因、下落要因、様子見と3つの投資指針をしっかり持つことで、瞬発的に動くとき・休むときのメリハリが生まれます。
狐のミニミニコラム
今月は静観です。市場との向き合い方は「防御の姿勢」が基本となるでしょう。過去のFOMC、各国の金融政策においての調整幅を参考にしながら、今後の展望を探る地合いです。
基本の目線は固まりながらも、目先3か月ほどは難しい相場展開が予想されます。風景がコロコロ変わりやすいため、相場への入り方が困難で、好機を逃しても仕方がないと思っています。気長に見晴らしがよくなるまで待つのが肝要です。
さらに余談ですが、オリンピックも開催間近ですが、マーケットはさほど材料視していません。気になるのは、イスラエル、イランの政権交代です。政治によるコロナ対応の評価がどうなるか注目しており、2021年は世界の外交変化が著しいです。
さらに9月は日本で解散選挙の噂、FEDのテーパリングのアナウンス開始月の予想と重なり、マーケットはそこを見据えていると思います。
グローバルマーケットのシナリオ分析
直近1か月の投資スタンス
【防衛と選定】 銘柄の選定を強めてゆく
目先は「防衛」姿勢でマーケットと向き合います。3か月は守りを意識しながら、投資指針の軸は「株高の調整」、「ドル安一辺倒からの変化」を意識です。銘柄を定めシナリオ準備を整え、好機の地合いに備えます。
ヘッジファンドの投資指針
【ヘッジファンドの投資指針】
- ■テクノロジー株は堅調
- ■米国債の購入増加
- ■アジア投資が積極的
ヘッジファンド、インディケーターの順でパフォーマンスを見ていくと、今後の投資戦略が見えてきます。ファンダメンタルの状況から、米株軟調でもテクノロジー株は堅調、金利動向も変化し、アジアへの熱視線が高まり、ヘッジファンド投資の増加など、世界市場の回復傾向を強めています。同時に、コロナ後の成長銘柄の変化に注目したいです。
Eurekahedge Hedge Fund Indexの5月の評価が+0.97%、自動売買のEurekahedge AI Hedge Fund Indexが+0.52%、仮想通貨はEurekahedge Crypto-Currency Hedge Fund Indexは-9.03%、全体的にパフォーマンスは低下傾向の印象です。市場の組み換え、構図変化への対話を強めるシグナルです。
SG TREND INDICATORから過去1か月間の市場評価は-2.31%と下落傾向、自動売買のSG CTA Indexは+0.11%、株価は+1.02%、FXは-1.76%、債券が-0.96%商品は-0.48%で、全体のポートフォリオは-2.21%です。全体的に低迷傾向になり、市場組み換えから、市場局面の見直しが大切になる地合いを予想です。
■トレード・アドバイス1
ヘッジファンドのデータベースから、彼らの姿勢や目線、有効戦略が見えたら、同じようにするのか、それとも裏をかくかなど、現在のマーケットに有用な投資戦略が見えてきます。そして、どの市場のボラティリティが強くなるか、弱くなるかを見極めることにも繋がります。
プロが攻める市場、逃げる市場が分かれば、どこを主戦上とし、どんな戦略で挑むかを探る手助けになり、自ずと戦いやすい市場を見つけることに繋がります。
■トレード・アドバイス2
国際通貨先物市場(IMM)データをもとに、FXに役立つ情報を得ることも可能です。2021年6月14日週時点のデータとIG Client Sentimentも参考に、ドル円とユーロドルを見ていきましょう。
・ドル円:買いポジション減少、売りポジション増加⇒円安、調整気配、上目線
【買いポジション47%/売りポジション53%:中立優勢】
・ユーロドル:買いポジション増加、売りポジション減少⇒ユーロ高、上目線
【買いポジション59%/売りポジション41%:買い優勢】
ヘッジファンドや機関投資家、投機筋の買い・売りにおける保有ポジションの状況から為替相場の動向を予想をします。IMMデータは「前週における分析結果」なので、現在のチャート動向との比較が大切です。
データの傾向から(1)から(4)の投資行動が考えられます。また、これらは中長期ポジションの目線であり、「自身の短期目線と同じかどうか」など投資姿勢の確認にも有効です。
(1)買いポジション過熱:下落の可能性⇒様子見・調整・転換を見極め、売り目検討もしくはシナリオの再考
(2)買いポジション継続:トレンド継続⇒打診・追撃・利益確定を検討でき、好機継続
(3)売りポジション過熱:上昇の可能性⇒様子見・調整・転換を見極め、買い目検討もしくはシナリオの再考
(4)売りポジション継続:トレンド継続⇒打診・追撃・利益確定を検討でき、好機継続
※(1)と(3)は「シナリオの再考」、(2)と(4)は「好機継続」と考えられます。
メインシナリオ
【様子見 調整】
テーパリング相場入り、という印象です。金利の影響から3か月は様子見を軸に、調整を待ちながら目線の定まりを待ちます。やや押し目を探る地合いのシナリオです。
方向感が定まれば中長期目線のチャンスが訪れると思います。局面変化の地合いのため、市場構図や銘柄の組み換えが頻発すると思われ、安易な投資判断は禁物です。
これからの市場展開は6月は押し目から、打診を探り、7月は保有の意識をしようと思います。ポジション量は打診レベルです。
カウンターシナリオ
【テーパリングによる下落】
市場はテーパリング相場となり、FOMCの債券購入の縮小を意識しています。ダウのカウンターライン28000~30000を割り込む場合、買い目線はヤメです。株価の大幅な下落を呼び込む可能性もあります。EUなどでもテーパリングの可能性が高まれば、各市場で利確する値動きが現れるかもしれません。それは特に警戒です。
金融関係者のコメント、経済指標、企業業績評価に注目が集まります。
サブカウンターシナリオ
【ワクチン接種、正常化宣言による利確】
各国でコロナワクチンの接種が進み、経済正常化への見通しが明るくなってきました。経済指標の結果から、株式市場や為替相場などで利益確定の動きが出る可能性もあります。
流動性相場から業績相場へ移行すると、上昇銘柄・下落銘柄の判別が必要となります。市場の組み換え、テレワーク銘柄からアフターコロナの経済活動に向けた、次の銘柄を探ることになります。